長編 #2104の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
Nellis基地ブリーフィングルーム、バーンズがボードの前に 立っている。 「揃ったようだ、バーンズ、進めてくれ。」一番前に座ってい たクレイドルが声を掛ける。部屋にはクレイドルの部下とチェ イニー、山田、竹山の九名が揃っている。 「我々の目的は、最新の発電衛星の奪還にある。」 ボードの図を示しながら説明する。 「衛星は幅二0ヤード、長さ五00ヤードの太陽電池パネル八 枚を平行に並べ、居住区は直径三0フィート、長さ五00フィー トの円筒型をしている。発電量は約50万KW、エネルギーは マイクロ波に変換され地上に照射れる。変換効率は約六0%、 焦点は無限遠に設計されているが、これまでの調査で改造され ている可能性がある。もし、エネルギーが集中すれば、金属を も一瞬のうちに蒸発してしまう。 」 「いったい誰がそんな物を……。」 チェイニーが口をはさむ。 「敵の素性は不明、衛星からの攻撃の可能性も十分に考えられ る。衛星の奪取は困難を極める。」 「正面攻撃ではベイウルフも歯が立たないか…。」 チェイニーは一人呟く。 「強襲艇のパイロットは空軍からチェイニー大尉、衛星のシス テムの専門家には竹山氏、そして日本の自衛官 山田一尉 が あたる。」 バーンズは三人の方を見ながら説明を続ける。「我々の部隊を 紹介しておく、我々の指揮官クレイドル チャニング中佐、ジ ョン軍曹、ジョーンズ、キリー、ジャックだ。 」 それぞれを指しながら紹介する。 「衛星奪回作戦、コードネームはサンフラワーとする。 」 「ありがとう、バーンズ中尉」 クレイドルは立ち上がり続ける。 「何か質問は?」 「強襲作戦の援護は無いのですか?」 チェイニーが質問する。 「プラント1より陽動部隊が出る事になっている。」 プラント1は人類初の本格的宇宙プラントである。直径五00m のドーナツ状をしている。人口五00、その内部には酸素や食 料を供給する農場、そして病院、商店、宇宙港など生活に必用 な物が殆ど揃っていた。 ケインズの指示により極秘の内に衛星間連絡艇がプラント1 より発進した。 連絡艇には誰も乗り込んでいなかったが、クレイドルの部隊と 連動してサンフラワーに突入するようプログラムされており、 外部からの指令による変更は不能になっていた。そのため、ク レイドルの部隊は一秒の狂いもなく行動しなければならなかっ た。 4 「当機はただいまより離陸します。衛星軌道投入までは座席 はそのまま位置ににして下さい。なお当機は全席禁煙となって おりますので、空港ロビーまではおたばこはお控え下さい。」 サーフィスプレーンが黒いベイウルフを背負い離陸していく。 「分離」 サーフィスプレーンは急降下しベイウルフと分離する。 「点火、フルスロットル」 ベイウルフはラムジェットを点火し上昇していく、 「速度マッハ六.五 高度五0000フィート通過、ロケット 点火 加速、」 ベイウルフはさらに加速し上昇していく。 「上昇角調整三0° 速度マッハ七.八 上昇角再度調整二十 五°」 「そのまま長楕円軌道にはいる。遠地点で再度加速、極円軌道 にはいり太陽を背にしてサンフラワーに突入する。」 そのころサンフラワーでは三人の不逞の輩が蠢いていた。 もともとEUAの作業員十名とイギリスとフランスの将校が十 四名ずつそして船医1名が乗り組んでいた。数日前作業員の内 の四名が医療室から持ちだしたメスで将校を滅多刺しにして殺 害し、他の作業員も殺害していった。船医を殺すときには二人 が逆撃を受け一人死亡、一人が重傷となったものの難なく目的 を達成した。 「つぎはどこをやるかな」 「どうも、プラント1を出発した船がこっちに向かってくるよ うだ。」 「それをやるか」 「コース計算、阻点固定、照射」 「船型を確認しろ」 「船型、確認、全長約三十五m、全幅十二m、全高五.五m 衛星間連絡艇と思われます。コース変化無し、このままのコー スでは1時間後当衛星に衝突します。」 「照射継続、周波数を変更、対電子戦周波数 最大出力で照射!」 「周波数セット、 依然コース変化無し」 「中佐、六0秒後に連絡艇がサンフラワーに突入します。」 「ビットブロック射出、」 「衛星間連絡艇 表面温度上昇中」 「まるで 電子レンジのケーキだな。」 「レーダープローブセット、」 「全員 揚陸戦用意!」 大地震が襲ったような衝撃の後、倉庫ブロックの中に真っ赤 に焼けた鉄のケーキが踊り込む。二瞬後に破れた隔壁の向こう にケーキの熱を奪った空気が流れる。アラームと共に倉庫と居 住区の間のブロック隔壁扉が閉鎖され、サンフラワー内部の安 全が確保された。 「被害状況をチェックしろ」 「倉庫を連絡艇が直撃しました。衝撃で、太陽電池パネルの二 0%が破損、四0%ののエネルギー供給が不能になりました。」 「クソー、何という事だ!倉庫には優に1年分の物資が確保さ れていたのにこれでは…。」 「目標サンフラワー電源ライン ビット阻点固定 ファイヤー」 「何なんだこの振動は、どうしたんだ」 「連絡艇の破片が当たったんでしょうか」 「あー、有効太陽電池一0%」 異様な叫び声をあげた。 「外部をモニター監視しろ!」 「ドッキングベイ付近のカメラがいずれも動作しません。」 「倉庫と反対側じゃないか、とすると、連絡艇は陽動作戦だっ たのか。」 4 特殊部隊は突入した。 「ジョン、キリーと先鋒を頼む、チェイニー大尉とバーンズ はここを守ってくれ。私と山田一尉と竹山君は衛星制御室に向 かう、ジョーンズ、ジャックは制御室からの通路を確保してくれ」 クレイドルがドッキングベイの解除キーを操作するとドアが 開いた。 ジョンとキリーが突入する。続いてジョーンズとジャックが 突入した。その瞬間を前後してベイの奥の方から銃弾が飛び込 んできた。 ジャックは予測していたもののよりによって自分が突入する ときに銃撃されるとは思っていなかったようで釈然としないよ うである。 「君も運が悪いな。」 続いて転がり込みながらベイの柱の陰に隠れた山田一尉が声を 掛けた。 「………」 「特殊部隊に入ってまだ二カ月だったな。無理するなとは言わ ないが、死ぬなよ。」 「山田君、喋っている暇はないぞ。」 遅れて入ってきたクレイドルは微かに毒のある一言を残して、 竹山とともに次の柱の陰に進んだ。 一ブロック先に進んでいたジョーンズがジャックを呼ぶ。 「ジャック早くこい。敵は二ブロック後退した。ここには敵が 二名います。」 「さあ、ジャックいけ」 クレイドルはジャックを叱咤し、先に行かせ、山田と竹山を誘 導する。 クレイドルは無線でバーンズを呼び出す。 「意外に敵の数が少ないのではないか? 敵がベイから制御室 の間に潜んでいる可能性が高い。十分に警戒しろ。」 「了解」 しかし、敵はいったい何人いるのだろうか、もともと十三人 しかいないのだからな、こういうものは小学校の引き算ですむ のだ。 「ジョン、状況報告をしろ」 「....現在、制御室の下を通過しました、今の所、敵は二 名発見しておりますが、傷一つ負わせておりません。二名とも 居住ブロックの方に逃げ込んだと思われます。」 「そこまでに乗組員の遺体は見つかったか?」 「医療室に、将校二名と医師の遺体が有りました。」 「そうか、わかった。そのまますすんでくれ」 「了解」 あと、一0人か乗組員だけでは、大した事はないだろう。二 人以上一0人未満か船内はそれほど広くはないと言っても五0 0フィートも有れば隠れ場所には不自由しないからな。 でも、本当に一0人なのか?クレイドルの脳裏に一瞬、不安 がよぎった。これだけの大きさだ一個小隊くらい隠れていても おかしくはない。他の衛星から乗り込んでくるのに十分な時間 があったからな。 しかし、それは無用な不安ではあった。もっと他に心配して おかなければならない事が在るのだがその事にまだ気が付いて はいなかった。 「ジョーンズ、状況報告!」 「そんな、...失礼しました。制御室に一人居りまして、 抵抗を続けております。 奴の話では敵は3名のみのようです。」 「よし、我々も一緒に突入する。現在の位置を確保しておけ。」 「了解」 意外と簡単だったな、制御室を奪取した後は、竹山に任せて …。昼寝でもできるな。 デイビットとピーターはジョンと対じしている。キリーは通 気口を回って挟撃体勢が確立しつつあった。しかし、ピーター は何を血迷ったかジョンの通路封鎖を突破し制御室に通じる資 料室に出ようとした。ジョンは苦もなく敵を仕留める事が出来 た。ピーターは側面からの銃撃を受け、右頭部に双筋のどす黒 い血が流れ、左の壁には脳と血で赤く塗装された。 ピーター倒れたとほぼ同じ時、後退しようとしたデイビット とキリーが通路の角で鉢合わせした。たじろいで一歩後退した デイビットの右脇をキリーの左足の蹴り入った。デイビットは キリーの左足を捕まえると、混沌とした格闘が始まった。特殊 訓練を受けている歴戦のキリーではあったがデイビットもテロ の特殊訓練を受けていた。ほぼ互角の格闘を展開していたが、 デイビットの右拳がキリーの左頬を傷ついた。キリーは頬を流 れる物を感じ、一歩下がった。デイビットはこれを好機と足元 に落ちていた銃に手を伸ばした。次の瞬間デイビットの眼前は 真っ暗になった。 「たるんどるな。」 「軍曹、奴は素人じゃありません。」 「当然だろう、こんなとこまできて素人がテロをやるものか…。」
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