#2056/3588 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 21/12/28 19:54 ( 34)
指摘私的ジャッジ 永山
★内容
少し前のこと、小説投稿サイトで読もうとしたある作品の序盤二話目に登場するキャ
ラクターの名前に、見慣れない漢字が使われていました。これはもしかして……と思っ
て調べてみると、どうも人名には使えない漢字みたい。少なくとも、作中で明示された
平成三十年で二十歳の日本人には使えない。
とりあえず読むのをストップしたのですが、これを作者に指摘するべきかどうか。作
者の方は読者からの誤字指摘を受け入れているので、指摘自体で気を悪くされることは
ないと思います。ただ、もしもこの人名が物語における伏線だとすれば、こちらが意図
せずしてネタバレ行為をしてしまう訳で。名付けに関する今の法律が成立する前から生
き続けている幽霊だった、とか。
最後まで読んで確認すればいい、という考え方もありますが、くだんの作品は連載中
で、まだまだ先は長いようでした。完結していても、長編だと名前の件が気になって身
が入らないかも。(^^;
小説投稿サイトにおいて、作品の欠点や誤り、短所を指摘する感想は基本的にNGと
しているところが多い……というような話を某巨大掲示板にて見掛けて、そこから「豆
腐メンタル」って誰が最初に使い出したんだろうと気になり、検索してみた。そうした
ら多分という注釈付きで、ある作品のエピソードが挙がっていました。知らなかった。
そこからまた思ったんですが、初出とされる作品の当該シーンが世に出るよりも前の
世界を舞台とした物語において、「豆腐メンタル」という言葉をその時代の人物が使う
のはあり?
もちろん「豆腐メンタル」に限ったことではなく、新たに生まれた言葉やすでに存在
はしていたが一般ではまず使われないでいた言葉を、史実よりも前の年代にて登場人物
に使わせていいのかどうか。
たとえば「アイーン」「だっちゅーの」といった擬態語のような新語は、他人が思い
付く可能性はかなり低いと想像できる、だから使わせてはいけない。ここまでなら割と
賛同を得やすい考え方じゃないかと思う。
ではロジカルに思い付きやすそうな、二語以上の合成による新語、たとえば「豆腐メ
ンタル」のような言葉であれば、使わせていいとなるのか? 仮によしとするのなら、
その線引きはどうなるのか。
まあ、どーしてもその時代の人に未来の言葉を話させたいのであれば、その人物が未
来旅行をしてきたか、もしくは未来からの旅行者がその人物に教えたということにでも
すれば事足りる?
ではでは。
#2057/3588 ◇フレッシュボイス2 *** コメント #2056 ***
★タイトル ( ) 21/12/28 20:46 ( 27)
来生三姉妹の長女の名前は… 夢乃
★内容
ども、夢乃です。
あ、この前の「大概」はご指摘のとおり「体外」の誤りです(^^;;
人名漢字にない名前が使われていても、所詮は創作物の中なのですから、気にしたら
負けな気がします。人名漢字というのは所詮は人間の決めたもの、であれば現実と創作
物の中で違っていても世界が微妙に違うだけ、ですから。(同じ理由で、「アニメの中
で京浜東北線の電車の音が京急線の音だ!」みたいな指摘には「気にすんな!!」と思
います。そんなもん、人間の都合でいくらでも変わるんだ!!(^^)
ただ。この世界が舞台なのに日付と曜日がずれているとか、日付と月齢がずれてい
る、のような、「何百年も前から決まっていて作中でも使っている決まりごと」や「物
理現象」が違っていると、気になりますが。
(作中で整合性が取れていれば、現実と違っても気にしないけど。というか、気になっ
て読み進めて「あ、こういうことなんだ」と納得する)
ところで。
漫画「キャッツ♥アイ」の来生三姉妹のお姉さんの名前、「泪」も人名漢字では
ないんですよね。キャッツ♥アイを読めなくなりますよ(^^)
ってのは置いておいて、泪さんの名前について当時の雑誌か何かで記事があって、そ
の中で、
「人名漢字にない漢字を名前に付けるには、役所の届け出で粘って粘って、届け出期日
のぎりぎりまで粘った挙句に『どうしてもこの名前じゃなきゃ駄目だ!!』とごねない
と付けられない。だから、泪さんの名前は親がそれだけ愛着を持って名付けたのだ」
という意味のことが書いてありました。ので、人名漢字になくても、ごねれば名前に使
えるのかも。(この記事の内容が事実なのかどうかは、確認していないのですが)
それでは。
#2058/3588 ◇フレッシュボイス2 *** コメント #2057 ***
★タイトル (AZA ) 21/12/29 16:50 ( 48)
日本人のお名前 永山
★内容
夢乃さん、レスをありがとうございます。
泪>
名前に使える漢字に制限が設けられたのは、昭和二十三年一月以降らしいので、漫画
『キャッツ・アイ』が初公開された年および来生泪のその時点での年齢如何ですね。(^
^) 調べてみると公開は昭和五十六年。ざっくり言って三十四歳以上なら泪であっても
おかしくないと。泪のキャラクターデザインから推すに、絶妙の線を行っているよう
な。いや、二女の瞳や三女の愛とちょっと離れすぎかな?
ま、作中で誕生年月日が明記されているとか、年齢をずばり言うシーンなんかがあれ
ばまた話が違ってきますが……私感ではぎり、矛盾しない範囲に収まっていると思う、
思いたい(笑)。
漢字の決め事>
とりあえずミステリのジャンルに限りますが、前回の書き込みでも軽く言及しました
ように、使えないはずの漢字を使った名前というのが手掛かりになるケースがありま
す。たとえば、トリッククイズ本にあった物ですが――美紗という名前の女性から積極
的アプローチをされた男が会社の先輩に「結婚を考えるようになったんですが、このま
ま進んでいいものかどうか自信がありません。先輩の判断を仰いでいいですか」的な相
談を持ち掛ける。先輩は美紗の年齢を聞いた上で、「自ら積極的にアプローチしてきて
いながら、偽名を名乗るか、年齢をごまかすような女性に対しては、警戒した方がいい
かもな」とアドバイス。名前もしくは年齢を偽っていると判断した訳を後輩が聞くと、
“紗”が人名漢字に入ったのは一九七六年七月三十日だから、計算が合わない云々と答
える――てな具合(紗の字については検索して確認、他の点は記憶に頼って書きまし
た)。
上の例は知識を問うクイズみたいな物ですが、もっと凝った使い方をしているミステ
リも存在します。そういう理由で、創作物語だから気にしない!という訳にはいかない
のであります、だって書き手としてこんな使えそうなネタ、放っておけないもの。(^^)
ちなみに、人名漢字の他にも、細かな法律を手掛かりにしたミステリはたくさんあり
まして。
日本の紙幣の番号の色が改まったことを決め手にしたり、物語の年代が読者の思い込
んでいたものよりもだいぶ前であることが祝日の日付で分かるようになっていたり(た
とえばかつては一月十五日に固定されていた成人の日ですが、今の法律では決して一月
十五日になることはない等)、同じく年代の錯誤を消費税率で示唆したりと枚挙にいと
まがないくらい。
法律ではありませんが、夢乃さんが言われた電車の音も、「いつもと違う音がしたの
は、脱線転覆させる細工がしてあったためだ!」という使い方ができなくはないです
し。
かような環境にあるため、ミステリの読者の側も細かいことにまで意識が向きがちな
のは確か。だから、人名に使えない漢字の名前のキャラを登場させておきながら、それ
が何の手掛かりにもなっていない(単なる作者のミス)ミステリ作品はその分評価が下
がっても仕方がない……という空気はあると思います。
と、書いてきましたが、私も自作の登場人物名を感覚で付けて、そのあと調べずに使
うことは多々あるので、あり得ない名前も登場させているかもしれず。(--;
ではでは。