AWC 感想>魔法医ウィングル:刻印と移り香(ネタバレ注意)  夢乃



#165/3598 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (        )  17/08/10  15:26  ( 60)
感想>魔法医ウィングル:刻印と移り香(ネタバレ注意)  夢乃
★内容
ども、夢乃です。

「魔法医ウィングル:刻印と移り香」、こういう異世界、かどうかは兎も角、現実に
ない要素(この作品では魔法)を孕んだ世界でのミステリーって読者へ無理無く伝える
ことが難しいですよね。下手すると、御都合主義に見えてしまうし。本当なら、そう
いう世界観を構築した作品の中で事件を起こす、という手法が良いのでしょうけれど、
(グイン・サーガのアルド・ナリスの事件簿はそんなかんじですね)短編でそれを
やると、ミステリーとファンタジーのどちらが主体なのことかぼやけてしまいますし。

この作品では、それを上手く処理していると思いました。ミステリーを主体に置いて
ファンタジー要素を納得できるように中に組み入れている、という感じです。

けれど、どうもあちこちが気になるのは、性という奴か(^^) いくつかあげると。

その1。
風雨に曝されるような場所で、尿だの指紋だのが四ヶ月も残るものなのでしょうか?
気になったので調べてみると、尿は解りませんでしたが指紋はここに。

指紋はどのくらいの期間で消えてしまうの? - https://goo.gl/nKbE78

これ見ると、野外で数ヶ月も前の指紋を検出するのは無理があるかな、と感じました。

その2。
ジーンの匂い別分離魔法。ジーンは匂いを知らなくても分離できそうなのですが、
一箇所、匂いを知らないと分離魔法を使えないような記述があって、どちらが正しいか
気になりました。ウィングル医師の言葉なので、匂いを知らなくても良いことを彼が
知らなかっただけ、かもしれませんが。

その3。
遺体を湖から浮かび上がらせるために、袋の中身を分離魔法で分離した場合、袋は湖の
底に残るのではなく遺体にくっついて浮かんでくるのではないでしょうか?
遺体と袋とその中身の関係がどうなっているか、気になりました。

その4。
分離魔法で分離した液体を元に戻す場合、一回と「数える」という表現に違和感が。
一回として「検出される」という方がすっきりする感じです。人間の数え方と機械の
検出数が一致するとは限らないんじゃないのかな、と思って。
加えて、その場合、分離してから戻すまでに長期間経っていた場合、機械はどう検出
するのだろう? 三ヶ月を越えると痕跡は捉えてもどんな魔法かはわからない、しかし
四ヶ月前に分離してつい最近戻したら、分離魔法を使ったことがわかるのかどうか?
魔法と検出の関係が気になってしまいました。

あと、四ヶ月でほとんど白骨化することあるの?と思いましたが、これはジーンが
魔法で体液を抜き取ったからですね。


さて。私の方ですが。Erotic Love 3編(side T、side S、case F)
  https://togetter.com/t/EroticLove
を進めつつ、新たなエロ小説
 小説ハーレム第一弾
 最終ハーレム 〜 Last Train Harem 〜
  https://togetter.com/li/1130360
なんてものを書いてたりして(^^)これは純粋にエロのみ、ストーリーもない小説です。
(ストーリーのないものを「小説」と呼べるのか?という話は置いといて)
エロシーンだけでどれだけ尺を伸ばせるか、というものに挑戦した実験的な小説です。
・・・というのは建前で、思いついたから書いた、が本音ですが(^^)

今後も思いついたら増やしていきます。その前に書きかけのも進めないと(-_-;

それでは。




#167/3598 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #165 ***
★タイトル (AZA     )  17/08/11  19:45  ( 67)
感想レス>『刻印と移り香』※ネタバレ注意   永山
★内容
 重ねてになりますが、読んでくださってありがとうございます、夢乃さん。

 最初にお断りしておかねばならないであろうこととして、本作終盤で明かされる、腕
にロープが云々のくだりは、島田荘司による御手洗潔シリーズ(講談社・他)のある短
編から着想を得ています。読者に示される現象・光景やそうなるに至ったロジックは大
きく異なりますが、私のはスケールダウンした応用止まりで、奇想の度合いや謎の美し
さその他諸々、御手洗物の方がはるかに上です。

 ファンタジー世界のミステリとしての枠作りを評価していただけたのは、とても嬉し
いです。書いた側としては、あちこちにつぎはぎした箇所があるのが嫌でも分かるだけ
に、そのつぎはぎを覆い隠す作業が多少は報われた心地です。

 指紋。
 まず、紙になら長く残るという話は色々読んだことがありまして。
 作中、柵の材質に触れていませんが、木製を想定していました。指の油脂分などが染
み込むという意味で、木は紙に近いと言えるんじゃないかと考え、さほど気にせずに書
いております。実験できるのならやってみたいなぁ。
 尿。
 こちらはウィングルの推理でも曖昧にしている通り、どの時点で撒くのが適切なのか
判断しきれなかったです(汗)。警察が現場偽装に引っ掛かってくれたら儲けもの、ぐ
らいの意識だったってことで。

 分離魔法と匂い。
 設定では、混じり合った液体を抜き取るとそこからさらに匂い別に分けられる、当初
から匂いを把握できていればその匂いの物だけ抜き取れる、みたいなイメージでした
が、読み返すと確かにあやふやな記述が目に付きます。誤りと言い切れない表現に留ま
っているのが悩ましい(自嘲)。なるべく早い段階、ジーンが話に出て来てすぐぐらい
に、彼女の能力はこれこれこういうものですよと、調査書類か何かの形で示す方がフェ
アだったかもしれません。

 袋。
 筆を急いだ結果の説明不足でした。遺体の胸部と足首にそれぞれ縄を掛け、それらの
縄の両端に液体を詰めた袋を一個ずつ結わえる(全部で四個)。結わえ方は、膨らんだ
袋を十文字(本作の世界観なら十字架型に、か?)に縛る感じ。浮上させるときは、胸
と足首それぞの縄の同じ側にある袋から液体を抜き取る。片側が軽くなることで、遺体
は浮上するが、中身のなくなった袋は縄の縛りから開放され、水中(水面?)を漂う。
縄自体ももう片側の錘によって引っ張られ、遺体から離れる。その後、残る袋から液体
を抜き取れば、仕掛けはばらける……みたいな煩雑な方法を思い描いていました。すみ
ません。
 今気付きましたが、このやり方だと、アルセの遺体が発見されるよりも先にロメイン
の遺体は腐敗して、弱くなった肉体が縄によって千切れる恐れが結構ありそう。遺体全
体を袋に包んで同様の方法でアンカーするか、包んだ袋そのものに液体を入れるかする
のがいいか? 遺体が大きな袋にパッケージされた状態で見つかることになりますが、
それが則、液体の分離魔法による遺体隠しには直結しない、かな。ただ、後者だと、遺
体を調べれば分離魔法の魔法痕が検出されてしかるべきだから、訂正追加するとしたら
前者を採用すると思います。

 魔法痕の設定など。
 魔法や魔法痕のルール設定は楽しくもあり、悩みどころでもありまして……シリーズ
作品として書くには、先を見越してフレキシブルにしておくのが吉であろうとの見通し
から、決めずに書いている部分が結構あります(といっても本作が十年ぶりの二作目
)。
 今回迷ったのが、ご指摘にもあった、甲乙でワンセットの魔法を時間をあけて行使し
た場合の判定に関してですが、これは三ヶ月以上経つと具体的な魔法は分からないこと
に、つまり甲が行われた時点から起算すると。
 同じく迷って、設定の詳細を決めるには至らなかったのが、<遺体に限らず、魔法を
行使した対象物を限りなく細かくしたり、燃やしたりした場合に、魔法痕の検出は通常
と全く同じなのか否か>でして。粉微塵にしたり焼き尽くしたりすることで魔法痕が検
出不可能になるのなら、犯罪者は皆そうするはずなんで、シリーズ物のミステリとして
画一的になってしまう。それは避けねばならないから、検出不可能は採用しない。では
通常と全く同じでいいかとなると、たとえば魔法で殺害した肉体を粉微塵にした上で、
あちこちにばらまけば魔法痕もあちこちで大量に検出されて、捜査が成り立たなくなる
恐れが出て来るのでまずい。分割した場合は一番大きな物だけ反応が出る、としても、
他のことで不都合が生じそう。てな感じで、決められなかったです。
 回数と検出の表現は、もっと考えてから詰めてみます。

 ではでは。




「◇フレッシュボイス2」一覧 永山の作品
             


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE