#4661/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 07/12/13 23:56 ( 21)
フラグと黄金パターン 永山
★内容
ウィキペディア等では、フラグは伏線のこととされていますが、実際にこの
言葉を使うとき、どうも違うニュアンスを含んでいるような。たとえば、「こ
の戦争が終わったら、俺、結婚するんだ」→翌日の戦闘で死亡 といったあり
がちな流れを、フラグと呼称している気がします。少なくとも、これを伏線と
呼ぶには無理があります。
どちらの意味が正しいかはさておき、現在主流であろう後者を採るとしたら、
フラグと黄金パターン(ワンパターンとも)は似ていることになる?
個人的感覚では、フラグはスパンの短いありがちな展開で、かつ、何らかの
暗示を含んでいるもの(伏線ではない)。黄金パターンは、スパンの長い(と
もすれば物語全体に渡る)ありがちな展開、と捉えています。
共に、読者に一種の心地よさを与える効果があり、物書きにとって、ストレ
ートに用いるにせよ、捻りを加えるにせよ、有用な“武器”になりましょう。
……と、ここでしめたいのですが、最近、フラグの方は、出てくるだけで読
者の笑いを誘いかねない存在になってしまっている感が強いです。そんな扱い
なら、捻りを加えてありがちな展開外しをしても、同様に笑いを誘うだけにな
るのがおちかもしれません。使わないという選択肢は、完全には廃除できない
でしょうから、フラグの今の扱われ方を変えるしかない。そうするには、フラ
グを作品で使いつつ、ありがちな展開外しを重ねていくことが必要となり……
ああ、二律背反(ちょっと違う)。
ではでは。
#4662/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ *** コメント #4661 ***
★タイトル (BWM ) 07/12/14 14:09 ( 49)
旗を立てよ 泰彦
★内容
泰彦です。
早いものでもう今年も20日ありませんが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
永山さんのおっしゃる「フラグ」は、本来はコンピュータ(プログラミング)用語でし
た。
Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%B0_%28%E3%82%B3%E3%83%B3%
E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%29
コンピュータでは、ある物事が起こったか起こらなかったかを「フラグ(旗)」という
値が「ある(true)」か「ない(false)」かで判別します。旗が揚がっているか揚がってい
ないか、と考えていただいてもいいと思います。
「フラグを立てる」の「立てる」はここから来ています。
で、例えば男女が恋仲になる場合。
まず「知り合う」必要があります。知らない人とは恋仲になれませんよね。
その上で「同じ部活に入る」とか「飲み会で再会」とか「猛烈にアタック」とか、い
ろいろな場面を経て恋仲になります。(とりあえずそういう事にしておいてください)
つまり知り合った段階で、「恋仲になるフラグ」が1つ立つわけです。
同じように「同じ部活に入る」「飲み会で再会」「猛烈にアタック」もそれぞれ恋仲
になるフラグであり、それらが立って初めて恋仲になるのです。
私の認識では、「フラグ」とはそこに至るために通るチェックポイントです。
チェックポイントを通らないとそこに至れない訳ではないが、結果から見ればそのチ
ェックポイントを通っていた(または通っていた率が高い)。そういう事ではないかと。
「この戦争が終わったら、俺、結婚するんだ」→翌日の戦闘で死亡 という場合、こ
の台詞を言ったから必ず死亡するわけではありませんし、死亡する兵士が皆こういう事
を言っている訳でもありません。
それでも世の中に出回るのはその手の話が多いですから、「この戦争が終わったら、
俺、結婚するんだ」という台詞を聞けば「うわ、もしかしてこの後死亡しちゃうの?」
と聞き手に予想させると言えなくもありません。そういう意味では「伏線」と呼べなく
もないのかなぁ、と。
「伏線」と「フラグ」の差は、「伏線」は張った以上は回収(と言うんでしょうか)し
ないといけないのに対して、「フラグ」は立てても放置する事がある、という点でしょ
うか。
某ゲームで、序盤にある女の子に好まれるような選択肢を選びつつ、でも最終的には
別な女の子狙いに切り換える、という事も往々にしてありますし。
「フラグが立った」からと言って、必ずしもその方向に進まなくても良い。それが特
徴だと思います。(恋仲になるには知り合う必要がありますが、知り合ったからと言って
恋仲になるとは限らないのと同じで)
序盤に立てたフラグが後半に大きな意味を持つ、という事もありますので、永山さん
の「フラグはスパンの短いありがちな展開」という説は少し違うかなぁ、と思います。
(この場合の「フラグ」は「伏線」と同義だと思いますが)
篠原 泰彦