AWC フリー日記 2000年4月    /オークフリー


        
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フリー日記 2000年4月    /オークフリー
★内容

   4月2日(日)

 名古屋城の桜祭りに行ってきた。

 妻と二人で出かけ、11時過ぎに城の門を入ると、既に野外舞台では民謡大会が始
まっていた。豊臣秀吉の出世をイメージした太鼓と三味線の音楽は、法螺貝と銅鑼の
音がか細くて若干物足りなかった。続いて、民謡教室の発表会のような感じで各地の
民謡が歌われ、伴奏の三味線の音が優雅だった。
 私達はいったん無料休憩所に入り、味噌田楽と甘酒を食べた後、再び舞台前に戻っ
て、正面のベンチに腰掛けた。実は今日、OH先生(西園流五代目宗家)達が虚無僧
の姿で尺八を吹くことになっているのだ。
 程なく虚無僧姿をした10人の有志が舞台に現れ、OH先生から「虚無僧の出で立
ちと尺八の歴史」について説明があり、全員で本曲の〈調子〉を演奏した。音程・音
量・音質・響き・調和、全て申し分無く、さすが精鋭揃いだけのことはある。
 虚無僧の装いとは、頭に天蓋をかぶり、首から数珠とずだ袋を下げ、肩には袈裟を
かけ、左側の腰に尺八と扇、右の腰の後ろに印篭、脚には脚絆・白足袋・せった…。
なかなかに見栄えがし、城をバックに10人が並んで尺八を吹く姿は壮観とのこと。

 今日の名古屋城、花見には1週間ほど早いが、結構人出もあってにぎやかだ。
 何年ぶりかで天守閣に上ってみた。五階でエレベーターを降り、さらに階段を上が
って、展望室の窓越しに東西南北を望む。私は妻の説明を聞きながら、諸方の景色を
心に描いた。
 西側正面は、晴天なら御在所岳や伊吹山の山系が見える筈だが、今日は残念ながら
曇っている。左の方にツインタワー(昨年完成した名古屋駅ビル)が見える。南側は
真ん前に都市高速道、右の方にツインタワー、やや左にテレビ塔が見えた。東に廻る
と、右に東山スカイタワー、左に名古屋ドームが在る。北側には馴染みの建物が少な
く、はるか彼方に小牧山らしき姿が望まれた。
 城には過去何回も来ているので、途中のフロアーは見物せずに帰るつもりだったが、
妻がふと目をやると、見覚えのない展示物がたくさん在る。時間はたっぷりあるので、
各階をゆっくり見ながら下ることにして、これは正解だった。
 5階には『石引シミュレーション体験コーナー』が設けられ、これは、昔加藤清正
が名古屋城を築城した折り、自ら大石の上に乗って石引を指揮したという言い伝えに
のっとったものである。畳1畳くらいの直方体の岩を、見物客がロープで引っ張って
遊ぶようにこしらえてあり、本物の岩ではなく張りぼてだが、スピーカーの指示に従
って力試しが出来るようになっている。
 四階には、火縄銃・太刀・兜などの武具が展示してあり、ガラスケースの中なので
手で触ることはできないが、長さ2メートル半の〈城備鉄砲〉も在る。レプリカのシ
ャチに腰掛けて写真を写せるようになっていて、ここには順番待ちの行列が出来てい
た。
 三階は『城内・城外の暮らし』というテーマで、様々な部屋と小道具がしつらえて
あり、ごく一部分しか手で触ることはできなかったが、木の香りと手触りは正に私好
みである。そのうちの幾つかを紹介すると、自身番(差又・突棒・袖搦のいわゆる三
道具が立ててある)、御用部屋(文机・巻物・書籍などが置いてある)、対面所(脇
息・火鉢・あんどん等が備えてある)、台所(釣瓶井戸・かまど・お膳まで作ってあ
る)、本屋(本棚・帳場)、庶民の家の前には天水桶までこしらえてあり、大きな桶
の上に小さい手おけがピラミッド式に積んであった。〈殿様のお駕篭〉に「乗ってみ
てください」と書いてあり、ここも人気の行列が出来ていた。
 二階は何故か扉が閉めてあって中に入れず、一階は従来通りの展示物が陳列してあ
った。


 名古屋城から戻って暫く休息し、夜はプロ野球を見に行った。開幕第3戦、中日対
ヤクルトの試合である。
 詳細は省くが、5対1でドラゴンズの勝ちとなり、気分を良くして帰宅した。



   4月4日(火)

 久しぶりで街中へ出かけ、幾つかの目的を果たした。

 まず、JRと地下鉄で大須へ行き、観音様に参拝した後、例によって〈ババ天〉に
入った。
 私も妻も、海老の上天丼を注文したが、これは相変わらず美味しい!
 私が初めてこの店へ来たのは約50年前のことで、現在の店主は何代目か知らない
が、
「婆の天丼だからババテンだ」
 という由来のこの食堂も、近頃では日本人の味の好みが変わったせいか、一時期ほ
どの盛況ぶりはなく、開店時間も僅かに11時から2時までとなっている。今日の客
は、80歳近いおばあさん・75歳くらいのおじいさん・40歳くらいの二人連れの
会社員だけだったろうか?

 歩いて約15分の〈科学館〉へ向かった。
 途中、O琴店の所在を確かめたが、ここは、5月に行われる尺八演奏会のリハーサ
ル会場になっていて、私は〈千鳥の曲〉を吹く。

 科学館には子供達が大勢見学に来ていて、春休みなのと、〈シンキョウ隕石〉(文
字不明)が目当てと思われる。
 二階から『宇宙館』に入り、第1〜第3会場を巡ったが、今日はプラネタリウムに
入るのは諦めた。
 第1会場には宇宙ロケットの実物大模型やシミュレーションコーナーがあり、第2
会場には多数の隕石展示、第3会場には各種資料や写真が飾ってあった。
 私は天体や宇宙のことを何も知らないが、〈シンキョウ隕石〉には感動した。
 重さ30トン、世界3番目の大きさ! これだけの物をよくも中国が貸してくれた
と、私は大いに感謝する。しかも、誰でも自由に触ってよいのだ!
 形はいびつで、最大部分の長さが2.5×2×1.5メートルはあるという。両腕
を広げても届かないので私には全体把握が出来ないが、その堅さと重さとひんやりし
た感触は、宇宙の雄大さを如実に物語っている。
 隕石の壁面に、大きな円板のゴム磁石がくっつくことからも、主な成分は金属と分
かる。説明・案内係の女性が、
「匂いもよく嗅いでみてくださいね!」
 と言うので、私は鼻を寄せて何度も何度も宇宙の匂いを胸の奥深く吸い込んだ。鉄
の匂いだ。
 手触りの美しさはとりわけ私を感激させ、鉄錆はなく、泥も付いていない。
 正面に向いている側は、握り拳で押したような丸いくぼみが一面に在って、くぼみ
の縁も丸みを帯びている。
 正面から右へ、そして裏側へ廻ったが、柵があって手が届かない。
 左側の面は十分観察することができた。正面と異なり、でこぼこが角張っていて、
刀で切ったような形の所もある。
「それが多分上側じゃないかなあ?」
 と、夕方会社から帰った娘が、私の感想を聴いてそうコメントしたのも、案外当た
っているかもしれない。

 第2会場には、隕石を持ち上げさせてくれるコーナーもあり、私は三角形の岩に似
たその隕石を、腰を落として両手で持ち上げた。
 係のおじさんが、
「25キロ!」
 と説明してくれたが、とてもその程度の重さとは思えず、僅かに数センチ地面から
浮き上がっただけだった。私は隕石の両角を両手でつかんで持ち上げたが、実は、隕
石をロープで縛ってあり、その紐を引いて持ち上げるようになっていたらしい。



   4月5日(水)

 小淵総理大臣が脳梗塞で倒れ、急遽森自由民主党幹事長が第45代目の首相となっ
た。
「一寸先は闇」という言葉は、政界にこそ当てはまる。
 第二次大戦後の歴代総理は、私の不確かな記憶によると、幣原 片山 芦田 吉田
鳩山 石橋 岸 池田 佐藤 福田 田中 三木 大平 鈴木 中曽根 竹下 宇野
海部 宮沢 細川 羽田 村山 橋本 小淵 森? となる。記憶違いや文字違いは
別として、よくもまあめまぐるしく変転したものだ。私は政界の機微や裏工作につい
て何も知らないが、それぞれの時期において様々な経緯があり、私自身随分長生きし
たものだと感慨に打たれる。



   4月6日(木)

 今日の夕方6時半から、パソコン通信AWCの『名古屋オフ』を行う。
 出席者は、今回幹事で春日井市在住のえびすさん、東京から帰る途中の永山さん、
天白区に住むモニカさん・そして私の4人である。はたして盛り上がるかどうか若干
心配だ。







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