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★タイトル (XVB ) 99/ 7/17 7:25 ( 70)
吉外信報62 大舞 仁
★内容
一月十五日は成人の日ですが、成人の日がない地域ではどんなことをしてい
るというと 割 礼(性器への儀式的暴力) というものをしているのです。
まず、儀式が性的に成熟する年齢とずれている場合(大人子供)でも、そこ
にアイデンティティ(舌噛みそうだ)の確立が見つかれば、それは広い意味での
成人式とみなすことが可能です。子どもが両性具有的な存在であるとすれば、
同性的なものを排除する必要があります。そこで大事なのが割礼というものな
のです。
男性の割礼−包皮の削除
割礼は一般に性器への身体加工を意味し、男性の場合、もっとも典型的なも
のは包皮の一部削除である。
宗教上ではユダヤ教徒やイスラーム教徒が割礼をし、世界上に広まっている。
他にも、ポリネシアやメラネシア、アフリカ各地の民族、アメリカインディア
ン、オーストラリアアボリジニなどである。
包皮を削除する例にはユダヤ教の場合は宗教的な理由から神との契約の印を
意味するものがある。
また一般には清潔さを保つことや過渡の自慰の禁止などが本当がどうかわか
らないが表向きの説明としては、合理的な説明として挙げられている。男性に
とっ て割礼とは身体から女性的なものを排除して男性としてアイデンティテ
ィを確立するための儀式とみなすことができる。女性的なものの排除とは母と
息子との分離のことであり、母との切断によって真の成人となる。多くの世界
では性的な交渉や結婚が許されます。
日本でも昔は男性の割礼があったそうです。
「寝部屋に入る。先輩はわしらをニ、三人で押さえつけ、着物の前をめくり、
まだ小さいのを引っ張りだして、カヤ(茅)で皮に傷をつけて頭をだして
くれるが、その傷で息子は血だらけになる。『よーし、これでおまえも一人
前じゃ』先輩たちにそう言われても痛いのと恥ずかしいのとで、たいてい
しょぼんとしとったの」(よばいのあったころ)
東アフリカのグレイ人の少年の意見
「割礼の後ペニスは鋭くなり、魅力的になります。だからヴァギナに入れる
ときにも手間がかかりません。性交しているとき、頭の中が気持ちよくな
るのです。割礼がすむと、とても性交がしやすくなります」
女性の割礼−クリトリス削除と陰部封鎖
女性の場合は、アフリカ各地、オーストラリア、南アメリカに認められる。
女性の割礼は、清潔さを保つため、美的観点から、健康のため、受胎能力を高
めるため、男性の性的快楽を高めるため、といった説明がされていた。
ところがぎっちょん、割礼後の性的な行動は男性と女性とでは多いに違うの
である。男性の場合は包皮の削除は性的快楽の増加を伴うが、女性は性的快楽
を減退させるのだった。すなわち、クリトリス削除は性的快楽の享受者として
の女性を否定する身体加工である。これは許されていいものだろうか。いんや
である。割礼はたんに女性を女性たらしめるのではなく、結婚まで処女を守る
より貞淑な女性を作り上げるものである。反対に割礼を受けていない女性は売
春婦とみなされている。またこれらの理由つけが面白い。なんと出産のさいに
乳児の頭がクリトリスに触れると死ぬと理由づけられているのである。すると
今の日本人の乳児はぜんぶ死産ということになる。
割礼がクリトリス、大陰唇と小陰唇などの外陰部を削除してから、尿と経血
の出る直径数ミリの穴を残して陰部を縫合する割礼である。この種のものは陰
部封鎖と呼ばれ、エジブト、スーダン、ソマリアなどのアフリカ東北部で広く
行われている。
スーダンでは七歳になると、後ろから羽交締めにし、陰部を酒に浸した綿布
できれいにする。そして大陰唇に麻酔の注射をして、クリトリスを削除する。
それから小陰唇すべてと大陰唇の一部を切りとる。最後に陰部を前から後ろへ
と縫合する。二日後にこの糸を抜き取る。
結婚では縫合された陰部を花婿が開いて、処女である証拠(出血)を公表する。
このため割礼の手術を行った女性の割礼師を密かに初夜の場合に呼んで膣口を
開けてもらう花婿もいる。さらに出産のときには、会陰切開やその他の部分を
切り開く必要がでてくる。
男性は女性的なもの(異質性、他者性)としての包皮を削除することで社会の
真の構成員たる存在へと、真の「人間」へと変貌する契機が男性の割礼である。
女性の割礼は、反対に、男性的なものの削除、その本質は社会における他者的
存在としての刻印であり、女として継続的に被ることになる社会的(家父長的)
暴力を象徴するものである。
「現代のエスプリ」暴力の行動科学より
大舞 仁