AWC @コラムbP4 消費税から環境税への進歩  ヨウジ


        
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★タイトル (CKG     )  98/11/15  12:29  ( 36)
@コラムbP4 消費税から環境税への進歩  ヨウジ
★内容

 消費税をこのままの制度で税率だけを引き上げて行くと、逆進性の弊害が増し
所得の低い層程負担が重くなります。そこで出てきたのが食料品等生活必需品に
ついてだけ税率を低くするという考え方です。貧しい層程食料品に対する出費割
合が高いので、こうすることで弊害がある程度抑えられるからです。とは言って
現代生活に必要なものは食料品だけでなく、衣食住の全ては勿論、家財道具や交
際費や子供の教育やどうしても欠かせないものが他に山程あります。だから、食
料品だけ税率を低くすれば消費税率はいくらでも引き上げられるというものでは
ありません。
 もし、この食料品だけ税率を低くするという制度を実施しようとした場合、従
来の税率1本とはやり方がかなり変わります。企業の情報処理システムの変更が
必要になります。従来は情報システムのどこか1箇所に税率を記憶して置けば良
かったものを、今度は少なくても食料品と非食料品との2つの税率を記憶して置
く場所が必要になります。そしてコード化された品目により2つの税率を使い分
けるようソフトウェアの変更が必要になります。
 そこで思い付くことは、どうせソフトウェアの変更をするのであれば、税率を
2本化するのではなく、品目ごとに税率を持つように変更してはどうかというこ
とです。どちらもそれ程変更の手間は変わりません。こうすることで消費税のよ
り柔軟な運用が可能となります。税率を高くする程食料品の税率軽減だけでは逆
進性の弊害を取り除くことができなくなるので、税率を低くする対象品目の範囲
を広げることでこれに対応させるのです。また、税率をいくつでも設定できるよ
うになり、よりきめ細かな配慮をすることができるようになります。
 そしてこの考え方を更に発展させ、環境に良いものは税率を低く、環境に悪い
ものは税率を高くしたり、高級品は税率を高く、普及品は税率を低くするという
環境税的課税制度へと導くこともできるようになります。あくまでも可能性の話
ですが、ソフトウェアの造り次第で新時代へも対応できるようになります。時代
のニーズから出てきたアイデアが事務処理的・技術的障害で実現できなくなるの
では明るい未来は切り開けないからです。
 これからは経済一辺倒の考え方は通用しなくなります。早急なる対策をしない
限り環境の悪化が顕在化し経済が根底から破壊される時代がやって来ます。経済
や少子高齢化社会という発想の他に、「環境」の2文字が欠かせなくなります。
単なる直間比率の見直しという税制論議ではなく、環境を保護できる税制に作り
直す必要があります。これはそういう発想から出てきた一つのアイデアです。


                                ヨウジ




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