AWC 三宮晴樹とその友人達(22)           ハロルド


        
#6390/7701 連載
★タイトル (GSA     )  98/ 4/28   2:24  ( 23)
三宮晴樹とその友人達(22)           ハロルド
★内容
 晴樹は、北星学園高等部の教室で休み時間中、郁太郎にゴールデンウィーク中に
公開される映画のことについて話していた。
「今のところ『グッド・ウィル・ハンティング』とか『ジャッキー・ブラウン』と
か『スターシップ・トルゥーパーズ』なんか観に行きたいって思ってるんだ」
「よく金が続くよなあ」郁太郎の声にはやっかみの響きがこもっていた。
「だから今の内に、もののついでに前売り券を買っておいて少しでも節約しようと
思ってるんだ」
「野口奈保美は誘わないの?」
「野口・・・!」
 晴樹は、違うクラスにいる意中の女の子の名前を口にされて動揺した。
「まずおまえがやらなきゃいけないのは、前売り券を全部二枚ずつ買うこと。そし
て丁度いい機会なんだから、これを運命と受け入れて思い切って誘うことなのだ!」
 郁太郎が自分の台詞に酔いしれているのを、晴樹は冷静な眼で見つめていた。
「もしかして、『どうせ振られるに決まってるんだから、チケットを二枚ずつ買わ
せておいて断られた後、自分が余った券をもらってやろう』なんて考えてるんじゃ
ないだろうね」
 晴樹の言葉は、郁太郎の純粋な親切心からきた忠告を踏みにじるものだった。
「本気でそんな風に思ってるのか!」
「じゃあ例え断られたとしても、余った券を君にやるようなことは絶対しないけど
それでもいい?」
 郁太郎は呆然と晴樹を見つめていたが、やがて言った。
「くそっ、うまくいくと思ったのになあ」
                                                             (98/04/26)




前のメッセージ 次のメッセージ 
「連載」一覧 ハロルドの作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE