#4906/7701 連載
★タイトル (UYD ) 97/ 1/30 21: 6 ( 34)
雑談日記 KEKE
★内容
「五秒間ほどの青空」藤川景(ふじかわ けい)三五館、を買ってきた。
この藤川というひとは、事故によって頚椎損傷で全身麻痺の体になって
しまったひとだ。数年前に「上の空」という本をだしている。
事故の経過から、治療の過程を、ほろ苦い笑いで描いてみせて、面白かった。
もちろん、このひとに起きたことは面白いではすまないことだ。事実上
ベッドに寝たきりで一生すごす。肉体はぴくとも動かない。それこそ、
鼻がかゆくても自分でかくわけにはいかないのだ。何もかもひとにやって
もらわねばならない屈辱。そして無力感からしだいに無気力になっていく。
ほんにんが書いているとおり、無期懲役の独房にはいったようなものだ。
それもぴくとも動かない肉体の独房に。
私も自分の状態についていろいろ考えることがある。思いつくかぎりで、
一番嫌な、好ましくない状態とはどんなもんだろうと考えたことがある。
そのときは、オークフリーさんがいてなんなんだが、盲目になること
だった。好きな本が読めなくなる。私は、これまでの経歴からいうと逆の
ようだが、実は行動的なほうではなくて、家で本を読んだりCDを聴いたり
してごろごろしているだけで、結構満足できるタイプのひとなのだ。
それが本が読めないとなると、もうどうしていいのかわからない。だから、
目だけは大切にしたいと思っていた。
でも、世の中にはもっとひどい状況もあるのだなと、この本を読んで思った。
身動きひとつできないというのは、なんとも残酷な状況だ。そういう自分に
絶望していても、自分で自殺することすらできないのだ。単に気分という
ことひとつとってもそうだ。私たちは、体を動かすことで気分を発散させて
いる。うっとおしいときも、落ち込んでいるときも、体を動かすことで
かなり回復させることができる。だから、車椅子のひとなんか、そういう
意味では、発散がむつかしく、したがって気分がよくない状態で座っている
んだろうなと思う。ついついとげとげしい発言をしてもしかたないかなと
思う。まして、全身麻痺だ。指一本動かせない状況では、動いて発散させる
なんてできようはずはない。かといって、介護者に当たり散らせば、それは
自分の身の上にすぐ帰ってくる。よほどの人格者でもおかしくなるだろう。
頚椎損傷は、やっぱり交通事故でなるケースが多いらしい。バイクなんか
とくにあぶないとか。私もやっぱりバイクにはもう乗るまいと思う。