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★タイトル (GLD ) 96/12/12 19:10 (130)
熱闘!ブロンコス96(11) Faith
★内容
熱闘!ブロンコス96(11)
NFLも第9週を迎えようとしている。
カンザスシティ・チーフス。昨シーズンAFC西地区で地区優勝。今季もチーム
創設以来初の開幕4連勝でロケットダッシュし、AFC西地区では1988年以来
となる2年連続地区優勝を狙うが、5戦・6戦と連敗。しかし、第7週のバイ・ウィ
ーク(試合なし)を挟んで第8週は木曜日にシーホークスに勝利、さらに中9日と
いう余裕のあるスケジュールで、ブロンコスの本拠地マイルハイスタジアムに乗り
込んできた。ブロンコスには第4週にホームゲームで勝っているだけに、今週も勝っ
て巻き返しをはかりたい。
デンバーブロンコス。昨シーズンは8勝8敗。オフェンスラインとディフェンス
に課題を抱えて低迷していた。今季も開幕3連勝したものの、第4戦でチーフスに
惜敗。しかしその後3連勝し、チーフスが連敗している間に地区首位に立つ。第8
週終了時点で、攻撃の獲得ヤード(どれだけ前進したか)の平均は395.7ヤー
ドでAFC15チーム中1位。守備の喪失ヤード(どれだけ前進されたか)の平均
も271.7ヤードでAFC1位タイである。
ちなみに第8週までのAFC西地区のスタンディングスは
1位:ブロンコス 6勝1敗(地区内2勝1敗)
2位:チーフス 5勝2敗(地区内4勝1敗)
3位:チャージャース 4勝3敗(地区内3勝1敗)
4位:レイダース 3勝4敗(地区内0勝2敗)
5位:シーホークス 2勝5敗(地区内0勝4敗)
一見してばらけているようでは、ある。だが、連敗スタートのレイダースが浮上
しつつあり、このレイダースにブロンコスは分が悪いことから、今週の成績次第で
はチーフスが地区首位に返り咲く可能性が高くなる。
実際、ブロンコスファン・正木とチーフスファン・水上の頭の中は似たような物
だった。水上は、
「とにかく今日ブロンコスに勝って6勝で並ぶ。来週ブロンコスはレイダースに負
けるだろうから、チーフスがリードできる。第16週のレイダース対ブロンコスも
レイダースが勝つだろうから、チーフスの地区優勝は固い」
と読んでいた。一方正木は、
「レイダース戦の2試合は両方とも勝てないかもしれない。今日負ければチーフス
に地区優勝を持って行かれる可能性が大だ」
と見ていた。今季好調を維持していながら、ここ数年の成績不振から、連勝も「三
振前のバカ当たり」に思えてしまう。弱気である。
いずれにせよ、「今日は勝たなければ」という点は同じであった。勝ち星一つの
重さは同じでも、シーズン中一度や二度は絶対に落とせない試合という物がある、
と言ったのは野村監督だったか星野監督だったか。シーズンも後半にさしかかり、
AFC西地区の行方を占うには重要な一戦である。
さて、試合の方は...
チーフスの攻撃は自陣14ヤードからであったが、ラン攻撃がふるわず自陣34
ヤードでパントに終わった。続くブロンコスの攻撃は、2プレー目にエルウェイ→
シャープの46ヤードタッチダウンパスが決まり、7−0とブロンコスの先制。
次のチーフスの攻撃は10ヤードも進まないうちにパントになったが、ブロンコ
スのスミスがこれをチーフス陣内34ヤードまでリターンするビッグプレー。最後
はチーフス陣内22ヤードからイーラムがFGを決めた。
これで10−0としたブロンコスだが、キックオフしたボールをチーフスのヴァ
ヌーヴァが自陣3ヤードでキャッチし、ブロンコスのスペシャルチームをかき分け
て、そのまま97ヤードを走りきってタッチダウン。あっと言う間に10−7と追
い上げる。が、ブロンコスもミラーへの31ヤードパスなどで3分と経たない内に
TDを追加し、17−7と引き離す。ここまで試合開始から約12分、第1Qも終
わらない内の攻防である。
第2Qはブロンコスがさらに7点追加。チーフスは、QBのボウノが相手ディフェ
ンスに阻まれてパスを失敗する場面が多く無得点。前半を終わって、得点はブロン
コス24−7チーフス。このままブロンコスが第4週の借りを返せるのか。
第3Qもブロンコスはエルウェイのパスを中心に攻めたが、反則による罰退が増
えてきた。が、チーフスもブロンコスのディフェンスにきっちり止められて思うよ
うに前進できない。戦前のおおかたの予想では「ブロンコスのオフェンス対チーフ
スのディフェンス」と見られていたが、予想外のブロンコスディフェンスの踏ん張
りである。
後半、エルウェイからミラーへの41ヤードのパスなどで前進したブロンコスが、
第3Q終了間際にTDを追加して31−7とリードを広げた。
第4QにはイーラムがFGを追加し、終わって見ればチーフスはキックオフリター
ンTDの7点だけで34−7とブロンコスの圧勝に終わったのである。
この試合のスタッツは、オフェンスの獲得ヤードがブロンコス499、チーフス
232。タイムポゼッションがブロンコス34:01、チーフス25:59。ブロ
ンコスがチーフスを完全に圧倒した試合であった。
試合後、エルウェイはオフェンスラインに感謝して言った。
”奴らは本当にいい仕事をしてくれたよ。チーフスみたいなチームを相手にするの
は、決して簡単じゃないんだ。でも奴らががんばってくれたから、俺たちはいいフィ
ールドポジションから攻撃し続けることが出来たんだ”
何はともあれ、2位チーフスに直接対決で勝った意義は大きい。茫然自失の水上
の顔が浮かぶ思いで、正木は職場のパソコンをインタネットから切断した。この結
果AFC西地区は、
1位:ブロンコス 7勝1敗(地区内3勝1敗)
2位:チーフス 5勝3敗(地区内4勝2敗)
3位:レイダース 4勝4敗(地区内0勝2敗)
4位:チャージャース 4勝4敗(地区内3勝1敗)
5位:シーホークス 3勝5敗(地区内0勝4敗)
レイダース戦を2試合残しているブロンコスとしては、地区内で星二つリードで
きたのは大きい。何よりオフェンスラインとディフェンスが安定している。もし万
一、来週アウェイでレイダースに勝ってしまったら。
「正木さぁん、そろそろスーパーボウルのチケット押さえた方がいいんじゃないす
かぁ」
「だな」
昼休みの終わりのチャイムがとっくに鳴ったのに、正木は藤代とインターネット
を覗いていた。
そのころ西村は、思いっきりブルーが入っていた。日本シリーズ、読売ジャイア
ンツがオリックスに1勝4敗で破れたのだ。
加えて、水上からの電話が追い打ちをかけた。
「11.5ゲーム差をひっくり返して奇跡のリーグ優勝をした上で、日本シリーズで完
敗。盛り上げておいて落とすなんて、これ以上のメークドラマはないよね」
ジャイアンツ(ニューヨークの)がライオンズ(デトロイトの)相手に、久々の
スカッとする勝ち方をしたものの、やはり彼にとっては本命は読売ジャイアンツな
のだ。
めぐみが気長に応援することにしたファルコンズは、名門スティーラーズ相手に
シーソーゲームの末、ゲーム終了6分前に同点に追いついたが、最終的に17−20
と惜しいところで初白星をまたも逃した。全30チーム中、勝ちがないのはファル
コンズだけである。最近ゲームに出てこないと思っていたQBのJ.ジョージは、
レイダースかシーホークスとトレードという話になっていたらしい。トレード要員
とされているレイダースのQBホステトラーや、シーホークスのQBマイヤーが相
当にくさっているという話だ。
次週(第10週)
ブロンコス 対 レイダース (レイダースのホームゲーム)
チーフス 対 バイキングス (バイキングスのホームゲーム)
ファルコンズ 対 パンサーズ (ファルコンズのホームゲーム)
ジャイアンツ 対 カージナルス (ジャイアンツのホームゲーム)
−To be continued.−
<<註>>
22ヤードからFGを決めて
ゴールポストはエンドゾーンの10ヤード奥に立っており、FGの場合キッカー
はスクリメージ(ボールがセットされた位置)から7〜8ヤード下がったところか
ら蹴るため、実際にボールをとばさなければならない距離はこの場合約40ヤード
になる。
反則による罰退
守備側が反則したら攻撃側がボールを前進、逆なら後退する。何ヤード前進・後
退するかは、反則の種類や度合いによって決定される。
ただし、反則したら必ず罰退というわけではない。反則された側が、反則をとる
か放棄(ディクライン)するかを選択できる。
タイムポゼッション(TIME OF POSSESSION)
試合時間1時間の内、それぞれのチームのオフェンスがボールを確保していた時
間。ボールを支配する時間が長い方が、相手の攻撃機会を少なく押さえたことにな
り、どちらが優勢だったか示す目安になる。