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★タイトル (PFM ) 95/ 6/16 0:14 ( 34)
【地球環境】生命40億年と熱帯雨林 Mary
★内容
今から約40億年前、海の中で地球上で最初の生物が誕生しました。
でも、地表の温度は摂氏70度もありました。これは大気中にあった大
量の炭酸ガスによる温室効果のためでした。一方、大陽の光は次第に明
るさを増しつつありました。このままでは地表の水は全て蒸発して金星
のような灼熱の地獄になるところでした。
ところがその後、地殻変動により陸が誕生すると、雨により陸の成分
が海に流れ込み海水の成分を変えました。その内、海水に溶け込んだカ
ルシウムは海水中の炭酸ガスが結合して、やがて石灰岩となって海底に
堆積して行きました。この結果、海水中により多くの炭酸ガスが溶け込
めるようになり、大気中の炭酸ガス濃度が低下しました。これにより炭
酸ガスによる温室効果が和らぎ、気温が生物の生息に適した温度に下が
りました。また、空を厚く被っていた雲は割れ始め、大陽の光が豊かに
差し込むようになりました。
35億年前、海の中では植物の祖先となる光合成を行うバクテリアが
現れ、大気中に今までになかった酸素という気体を放出するようになり
ました。また、酸素は上空ではオゾンとなりオゾン層が形成されました
。5億年前にはオゾン層は現在とほぼ同じ厚さになりました。これによ
り降り注ぐ紫外線の量が減りました。大気の組成が現在とほぼ同じにな
ったのは3億5000年前でした。
このようにして陸に生物が生息し易い環境が形成されました。これ伴
い、まず植物が海から陸に上がり、続いて動物も上陸し進化し、現在の
ような多様で豊かな生態系が構成されました。そして地球は、生命で満
ち溢れる青い惑星になったのです。
そして現在、森林は大気や水の循環に大きく係わっています。熱帯雨
林森から立ち昇る水蒸気は冷やされ雲になり雨をもたらします。森の植
物たちは、この恵みの雨と空気中の炭酸ガスと大陽の光とで光合成を行
い、空気中に酸素を放出しています。現在大気中に含まれる酸素の半分
近くはこの熱帯雨林森で作り出されているということです。
(NHKテレビ「生命40億年」より)
Mary(マリア)