AWC 負の価値の生産                Mary


        
#4150/7701 連載
★タイトル (PFM     )  95/ 4/17  19:48  ( 35)
負の価値の生産                Mary
★内容

 近頃では生産というものがコンピュータを利用した非常に高度で極限
まで効率化されたものに進歩しました。お陰で高性能で低価格な様々な
工業製品が供給されるようになりました。物質的には非常に便利で豊か
な生活をもたらしました。でも、そこにはエコロジーな発想は入ってい
ません。経済性一辺倒です。そして、経済性追求の一つの手段として「
使い捨て指向」があります。「使い捨て指向」なら商品は作ってしまい
さえすれば、後のことは何も考えなくて済むので、非常に効率の良い生
産ができるからです。また、商品の企画・設計段階の作業も人間の得意
な創造性のみを発揮すれば行えます。
 ところが消費者が商品を使う段階になると、使い終わった商品や商品
のパッケージは大量のゴミとなって廃棄されてしまいます。燃えるゴミ
も燃えないゴミもこれを処理するには莫大な費用が掛かります。回収・
焼却・分別・埋め立て等の費用です。つまり、私たちが安い安いと思い
購入した商品には、実は眼に見えない負の価値がセットされていたので
す。そしてその負の価値については、後で知らない間に多額の税金とし
て支払わされていたのです。だから、本当はその商品は安くはなかった
のです。おまけにゴミの処分は環境破壊をも引き起こします。有害な物
、自然還元されない物もそうですし、処分場は地中や尊い生物たちが住
む海岸を埋め立てて確保しているのですから。
 だから、本当は私たちが今購入している商品は安くはなかったのです
。それどころかお金では償えない私たちの拠り所である地球環境さえも
危うくする要素を含んでいたのです。この問題を解決する最も有効な方
法はその負の価値を生産しないことです。つまり「使い捨て指向」を止
めることです。最初からゴミを出さないようにしたり、有害な物・自然
還元しない物を出さないようにしたり、または完全にリサイクルするこ
とです。例えば商品の包装を簡略化したり止めたり、飲料をアルミ缶か
ら瓶に戻したり、牛乳を紙パックから瓶に戻したり、発砲スチロールパ
ックを止めたりリサイクルしたりと言ったような類のことです。便利さ
手軽さや見掛けの経済性だけでなく、その後に私たち自身に降り懸かる
弊害のことも考えて生産しなければならないということです。私たちは
今まで眼に見えない負の価値の生産をしていたのです。


                       Mary(マリア)




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