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★タイトル (XVB ) 95/ 1/28 16:31 (106)
吉外信報28 大舞 仁
★内容
今回もあの兵庫県南部地震(阪神大震災)についてです。
◎非常時に人の本当の心がわかる。
○ニュースキャスターたち
『悪 編』
これは、今回の地震で痛感したことなのですが、こんな非常時だからこそ、人の
本当の心がわかってしまうのですよね。
地震の模様を伝える今回のニュース報道などは、いきなり生、つまり、訂正も修
正、カットといったものがまったくないぶっつけ本番のものだから、どんなに訓練
を積んだニュースキャスターも、地震のに関してどのようなことを思っているか、
ほんのぽろりと飛び出してしまった口の端から、心配が少なく興味と面白半分でニ
ュースを伝えている姿勢というのかがわかってしまいます。
例えば、神戸の長田区の火事を報道していたニュースキャスター(火事を直接報
道していたところを見ると大阪あたりの人だと思います)がいました。その人の詳
細な言葉ははっきり覚えておりませんが、『火が家をなめつくす』ような表現方法
を使い、家が燃えている哀しみよりも、どことなく火事が起こることでのパフォー
マンス(娯楽性、言い換えればゴジラが都市部を破壊するのを見て楽しむ野次馬で
すね)を楽しむ風に感じられ、地震で家が燃えれしまった人々のことを考えれば、
こういう言葉は出てこないのですけどね。
それから、こういうのもありました。家屋が崩壊(焼失)投げ出され、水が欲し
い人々のために、お風呂屋さんが自分のところの井戸水を汲み出して、配っていた
ニュースが入っていたのですよね。そのとき、安全なスタジオにいたニュースキャ
スターの言葉が『温泉ですかぁ』です。
こういうの平和ボケっていうのですよね。温泉の湯というのは、すべてが平穏で
あるときに、「欲しいかもしれない」と感じるものであって、水がほとんど手に入
らない状態では、温泉の湯だなんて、硫黄類が入っている分邪魔なだけなのですよ
ね。(あのマリーアントワネットが、パンをくれと騒いでいる民衆に、パンがなけ
ればお菓子を食べたらいいのにという論理と一緒です)。非常時に一番必要なもの
は、普段なにげなく使っているもの、いつでも手に届くものと信じこんでいる水な
どの基礎物質なのです。
『善 編』
もちろん、先に悪編でいったようなものもありますが、今回の地震で、暴動さわ
ぎにならなかったのは、ニュースでできるだけの周知活動を人々に伝えたというこ
とがあります。まず、避難場所から、死亡者の名簿の登録、それに、各自の消息を
テレビ・ラジオであげることなんて、今まで異例なことだったと思います。それに
あの関東大震災で起こったような、パニック状態、井戸に毒を一部の外国人が投げ
込んだとデマ(デマについてはもう少し時間をおいて行おうかと思っております)
が起こり、その結果大量虐殺が起こったことなどを考えれば、その場での周知広報
活動で、起こったかもしれないパニックを未然に防げたのは、ニュースがあったか
らだと思います。(実際に一番よくテレビ・ラジオを見ていたのは、震災を受けた
人々より、家屋が無事だった人々、つまり地震とはほとんど関係ない人々だったと
いうのが、強烈な皮肉になっているのですよね)
○火事場泥棒と善人者
『火事場泥棒』
*火事場泥棒 火事場の混雑につけこむどろぼうという意味の他に、
混雑・混乱につけこんで利益を得る人の意にも用いら
れる。
五千円で売り飛ばすソーセージ商人、それを買う一般民衆、これなどどっちもど
っちですよねぇ。だってそうじゃないですか。バイオレンス・ジャックのように外
から何を物が入ってこないという状態だと仕方がありませんが、この場合はいつか
は、物資が入ってくるということがなんとなくですが、わかっているのですよ。そ
れを無理して買うということは、よほどの悲観論者か、米騒動で大騒ぎを起こした
ためこみバッタの類でしょう。まあ、騒動にのって、五千円ソーセージを売る方も
悪いのですが、ほいほい買うほうも買う方だと思います。
これを同じくして、こぶし大の温かいおにぎり六個が千五百円、カップめんが
三百五十円、こちらの方も売るほうは、人の不幸を付け込んで儲けようとする意志
がはっきりわかっていますし、買ってしまうっていう気持ちもわかるのですよね。
おにぎりの温かさを求めて、日頃だと買うはずもないものを欲しがるその気持ちは
わかります。それに人間の中にでも、悪人、善人、中途半端なもの、といろいろと
おりますから、一万人の人間がおれば、騒動に乗じて、かなり高いおにぎりを売り
飛ばす人がいても、仕方がないなぁと思ってしまいました。
『善人者』
騒動の中にでも、風呂屋のおじさんが井戸水を付近の人に配ったり、淡路の野菜
売りのおじさん、おばさんが野菜を無料であげたり、サテンのおじさんがコーヒー
をごちそうしてみたり、こういうのを見ると、人間もまんざらじゃないなって思っ
てしまいます。
もちろん、後々の影響、井戸水を上げたのだから、神戸の町が復興したら来てね
とか、野菜をあげたから淡路の町が復興したら来てねとか、コーヒーごちそうした
から、普通に営業できるようになったら、その分昼食代で落としてねとか、のほん
の少しの下心があったとしても、非常時に、非常時だからこそ、人様に親切をする
光景を見ると、ほんのり温かさが込み上げてきますね。
○雲の上の偉い人
特に誰だとはもうしあげませんが、某国に雲の上の偉い人、二人が手を振りなが
ら飛行機に乗る姿を見ると、どうしてこんな時期に外国に行くのかなぁと思ってし
まいました。
だって、そうじゃないですか。例えそれが何もできなくても、せめて少しは心配
しているのだぞって、いう誠意を見せてくれてもいいのじゃありませんか。そりゃ
まあ、日本中では毎日一人や二人は簡単に人間は死んでいます。ですが今回は五千
人もの人間が一片に死んでいるのですよ。せめて、騒動が回収する来月まで、外国
に行くのを延期するのが、今後の国民に親しまれる雲の上の役目ではないでしょう
か。まあ、どうせ人形だから、そんなこと喚いても無理でしょうけどねぇ・・はぁ。
別の雲の上の人が、今月の末に神戸に来るそうですが、見物だけならあまり来て
欲しくありませんよね。来るのなら、地震で揺れて危ないときに見舞いにかけつけ
て来たらいいのです(いけない感情的になってしまった)。
○ここでいきなりB子さんのコメント
今回の地震では、ニュース報道、人と人とのつながり、考え方、雲の上の人への
感情とか、いろいろ考えさせられることがありました。
不幸中の幸にして、k市ではほとんど家屋への損傷というものがなく、地震の揺
れがたまにある程度で、実質的な損害はほとんどありませんでした。
それなのに、某氏や某氏が心配してくれて、避難物資が送られてきたことは、そ
の物質的なことよりも精神的な意味でとても嬉しかったと言っております。B子さ
んの予想を遥かに超える避難物資の到着は、家屋への被害がほとんどなかっただけ
に、なんだか某氏と某氏に詐欺を働いたみたいで、多少の心苦しさ、やましさを感
じてしまったりしています。それでも気にかけてくれて、とても嬉しかったのです
ぅ。
大舞 仁