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退屈の剣 二話 (易経)
★内容
退屈の剣 始まりの剣
(易経)作
現在二人は小さな町の、小さな酒場にいた。///
赤毛の少女が顔を真っ赤にしている、怒っているのだ。
顔が可愛いので迫力は全くない。
胸のあたりで腕組みをして目尻の下がった目を繰り上げている。
だがその仕草が可愛いい、子犬が吠えて牙の無い口で噛みつくほど無害なのである。
ただリンが無口になった時は要注意である。
リンは今年で二十五才の立派な大人なのだが、外見は十五、六才の少女でしか無く、
酒場に入れば「ガキか?、ガキが酒なんか飲むんじゃねえー、
それとも男あさりか?」なんてからかわれ、爆笑がおこる。
意外に短気な性格のリンは口より先に手が出る、この場合は足がでる。
体を半回転させて飛び上がり、その男の真上で一瞬止まる。
次の瞬間リンの右足の踵が男の後頭部にめり込んでいた。
まずい事になった、どうやら酒場にいた全員がこの男の仲間だったようだ、
一斉に立ち上がり、武器を構えた。
小さな町の酒場に戦士姿の男達が30人はいる。
だがリンは、 剣を抜いて切りかかる男達を神業的な軽技でかわして
旋風のような蹴りで倒していくのだ。
それを見て肩を落としているのはリンの相棒のアージである。
他人のフリをして、倒れたテーブルを角に運び、
床に転がっている酒びんを数本拾い上げて酒場のカウンターに座る、
「店主教えてくれ、誰も死んでないか」
皮鎧に身を包み、背中にロングソードを下げているが、戦士には見えない、
何処となくまが抜けているのだ、戦士と言うよりは人の良い武器商人である。
アージは今年で二十三才、黒髪の青年である。
リンとのつき合いは長い、アージが十六才の時からのつき合いである、
お互いに引き合ってはいるのだが、
そんな風にならない二人である。
後ろではビンの割れる音やテーブルが砕ける鈍い音がしている、
潟唐フ後ろから大男が長剣を真横に振り回す、
それを床にうつぶせてかわすと、
その体制から両手足を使って飛び上がり後ろに一回転しながら「ビュン」
と片足を男の頭蓋骨に振り落とす、その反動を生かして顔面にも膝蹴りが入る。
残酷である、大男は声を出す事もなく、泥人形のごとく崩れていくのだ。
床にはリンの餌食になった男達が倒れピクリともしないで転がっている、
数人は死んでいても不思議ではない。
リンに蹴り倒されて気絶しているはずの背の低い男がピクリと動いた、丈夫
な野郎である、男は腰に下げている銅製の短剣を数本抜いた、勝てないと悟っ
た男は気絶したふりをしてリンの背中に攻撃するつもりなのだ、それは飾り気
のない短剣である、刃も鋭くなく鞘もない。
武器屋で一番安い剣で普通1ダースいくらで売っている安物の短剣だ。
主に使い捨ての投げナイフとして使う者が多い。
リンが空中で二人の男を蹴り飛ばして体を反ひねりして着地した、
短剣の男は着地して無防備なリンの背中に四本の短剣を器用に投げた、。
短剣は正確にリンの背中と頭に飛んだ、だが四本の短剣はリンに刺さる寸前、
床に落ちて転がった。
アージが、長剣で四本の短剣を切ったのだ。
サヤから引き抜き一降りし、降り上げサヤに収めて二降りで終わった。
外見からは想像もつかない剣技に、酒場が静まり返った。
男達の動きもない、アージの剣に自分達の死を感じたのだ。
「俺達も切るのか、初めに手を出したのはその女だぜ」
頭らしい男が、アージの前に出た、大男でヒゲ面の男はアージに抗議した。
「確かにリンが悪い、だがリンの敵は俺の敵だ、どっちが悪いかなんて俺には
関係ない」
アージは横目でリンを見つめ、無事を確認した。
「大丈夫か、リン」
うなずくリンだが、少し緊張している、アージの台詞が照れ臭いのだろう。
「分かったよ、その女の事は許す、だがな
仲間は怪我で動けないんだ、仲間の変わりに仕事をしてもらいたい」
幸にして、死人は無かったようだ。
「どーするんだ、リン」
リンは首を縦に降る。
アージはリンの返事を確認すると、動けないでモガク男達を見て肩を落とした。
苣lの手当だ、話は明日でいいだろう」
「それは助かる、もちろん手伝ってくれるんだな」
アージの口からは、ため息しか出なかった。///
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