AWC ●『続・権力の陰謀』 再就職 〜訓練再開〜    ヨウジ


        
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★タイトル (CKG     )  94/ 4/ 9  10:29  ( 78)
●『続・権力の陰謀』 再就職 〜訓練再開〜    ヨウジ
★内容

 権力による弾圧は92年11月からのこの訴えにより、一時弱められたかに見
えたが、ほとぼりが冷めつつあるこの頃はまた強化されていた。
 例えばこの2月の税務署への確定申告のときには、最寄り駅に待ち伏せし、例
によって「絶対に良くなれないようにするから」等の威圧的な扇動の言葉を浴び
せられた。その上税務署近くでは、事件もないのにパトカーを乗り付け、それら
しく人だかりを作り、信一に言い知れぬ圧力が掛けられた。それから3月の中旬
過ぎに電車で出かけたときにもショッキングだった。最寄り駅近くの交差点に向
かって歩道を歩いているとき、突然交差点の方からパトカーが現れ、信一の眼前
を通り過ぎた。信一は一瞬ドキッとしたが、そう思うのも束の間もう一台のパト
カーが信一の眼前を通り過ぎた。おまけに交差点脇では白バイの警察官がバイク
の男を取り調べる様子を見せていた。これも良く使う手。誰の目にも不自然さの
ない光景。だが、信一だけは感じていた。偶然でないことを。12年前からの偶
然でない出来事。帝都警察の加担。その日の行程のあちこちで工作をされた。

「お前が受け入れればいいんだよ」(こういう不幸な運命を受け入れ大人しくし
                 していればいいの意味か?)
「最初に言ったから駄目だよ」(多分事の真相が出る前に関係各機関に言い触ら
               して信一の訴えを無力化したの意味)
「一生やられるの覚悟ならできるよ」(権力がやめれば自分も訴えの必要がなく
                  なるのに)
「お前の名前が新聞に出れば終わるよ」
「お前を見張るように言われているからね」
「警察を敵に回して」
「永久に解決しなくなった」

また、先月子供と老母のために買い出しに自転車で出かけたときには、長い間止
めていた救急車による嫌がらせ出動を2回も行なって見せた。火事もないのに消
防車が鐘を鳴らしながら家の側をゆっくり通り過ぎるということが何回もあった
。それからディスカウントショップに出かけたときにも、少なくとも3人の警察
官が経路に当たる歩道で出食わすように派遣されていた。これらは一例であり、
出かければ欠かさず圧力を掛け続けてきた。
 そして3月末、突然人材派遣会社から連絡が入った。明日から出勤という仕事
だった。尾行者の工作を感じながらもその日の夕方面接を受けた。2年半も失業
していた信一は、不利な条件ではあったが受けることにした。時給労働の始まり
だ。久しぶりの明るい兆しだった。
 だが、4月1日初出勤の日、やはり大人数の権力による出迎えを受けることに
なった。出勤時は勿論、帰り派遣会社に立ち寄ろうと街中に出たときには十数人
の人間が待ち伏せしていた。「よくもばらしたな」「見事にひっくり返してくれ
た」「お前を潰すチャンスだ」「文章力あるとこ見せただろう」「それで名作生
んだ」等と背後から浴びせられた。当然のことながら帝都と帝都警察の仕業だ。
こんなことを21年もやられてきた信一には、それ程のショックにはならなかっ
た。ただ事の深刻さを理性で察知したのだった。何も期待しないが、悪には絶対
に屈服しないという信一の気持は変わらなかった。
 それ以後も毎日一日も欠かさずに工作され続けている。どう見ても警察でない
人間も駆り出されているようだ。帝都職員だろう。一昨日車中で二人連れの男が
乗っていて、「近寄り難い感じがするから」と一人の男が言った。もう一人の男
の返事はなかった。信一は座って雑誌に目をやっていた。この言葉は少し気にな
ったが、その後の何やらの言葉も聞き流した。だが、その男がもう一度語気を強
めて「近寄り難い感じがするから」と言って次の駅で降りて行ったときには、こ
れはもう偶然ではなく自分宛てであろうと感じたのだった。信一の外面が他の人
にどんな印象を与えているかを知らせる振りをして、だからお前が悪いんだと思
わせる毎度の戦術なのだ。このことはどうでもいいが、だからと言って21年間
も複数の地方官庁が結託して一人の人間の一生を潰していいという理由にはなら
ない。第一そんなことをやられている人間が明るく振る舞えるだろうか。

 また他の多くの人間を参加経験させ訓練し、信一に対する差別をより一層徹底
させようという策略に違いない。今度の勤め先は大手企業だ。ここへの浸透に成
功すれば、差別はまた大きく広がることになるだろう。そこに勤めている多くの
人間と関連会社にまで波及するのだから。今の信一にはどうやられ退職に追い込
まれか想像がつく。今までのその手口を全て覚えているから。ただ、今までとの
違いは対抗手段を持っていることだ。この訴えだ。

「もう(お前が)何を言っても大丈夫なようになったから」
「潰すだけ潰しておいてから・・・」
「警察に盾突くやつは二度と良くなれないようにされる」(まるでやくざ)

 なおも執拗に続く権力の裏工作。やめられないこの訴え。誰も知らん顔。人権
を奪われ続ける小説の中の信一という名の私。不幸が慣れっこになった私。誰も
そんなこととは知らないで。権力と私だけが知っている私の心の中の不幸。希望
を持たないことで生き続ける可哀相な人間。でも、大事なものは絶対に失わない
意志の強い人間。『権力の陰謀』と戦い続ける信一です。


                                ヨウジ

P.S.これは小説でも作り話でもありません。自由を取り戻すための、今起こ
    りつつある物語、つまり現実です。




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