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★タイトル (CKG ) 93/11/ 3 16:36 ( 35)
●『続・権力の陰謀』 思春期の悩み ヨウジ
★内容
思春期には誰でも特有の悩みがあると思いますが、信一にとっても苦悩に満ち
た時期でした。信一はそれを中学生時代に知りました。最初はその意味を知りま
せんでした。ただ、ただ、その余りの快感に夢中でした。でも、中学高学年から
高校時代にかけ、次第に苦悩が頭を擡げ始めました。人に噂や陰口を言われるこ
とに酷く傷つけられました。その中には性に関するものが多々ありましたが、そ
の時期でしたから、これもまた酷く傷付けられました。その後中間試験の勉強に
よる睡眠不足に、その悩みが加わり、病気になりました。つまりノイローゼにな
りました。3カ月間高校を休みました。入院生活です。でも、入院生活はそう苦
しいものではありませんでした。最初入院したとき、回りの人が本当に変な人の
ように見えて、「こんな人と一緒にされるのいやだな」と思っていました。とこ
ろが日々一緒に生活すると、皆いい人ばかりで次第に打ち解けて行きました。
勉強が遅れるのがいやだと思った信一は、教科書で好きな数学の勉強もしまし
た。スケッチブックに車のデザインをすることもこの上ない楽しみでした。また
、画家の人もいて、隣の1才年下の子と3人で近くの公園に外出して、風景画を
書いたりもしました。その画家の人もとても心の暖かいいい人でした。中には東
大卒の人もいました。その人も穏やかでとても優しい人でした。看護士の人との
卓球もまた楽しみの一つでした。なかなかすばしこい人でしたから、いつも悔し
い思いをしていました。患者さんで一人やたらとカットをする人がいて、サーブ
を打つと、ピンポン玉がまるで真横に飛んでしまい、思うようにならないのが、
これがまた悔しくて仕方がありませんでした。ですが、唯一のスポーツというこ
とで、汗を流し流しの楽しい毎日でした。
そうこうしている間にクリスマス・イブがきました。夕食後になり飾り付けも
済み、女性聖歌隊がやってきました。若かった信一はクリスマスがとても夢のあ
る楽しいものに感じていましたから、生れて初めて耳にするその聖歌にうっとり
と聴き入りました。キャンドルの光の中の「もろ人こぞりて」は今でも耳に残っ
ています。清く美しい響きでした。
年が明け元気になり、信一は自らの意志で学校生活への復帰を決意しました。
その後にも苦労があったものの、信一は見事に立ち直りました。高校一年の信一
でした。
ヨウジ
転載-104 93/11/03 フリーボード#2910他