AWC お題>ノックの音がした  Vol


        
#867/1336 短編
★タイトル (USM     )  97/ 8/15  18:19  ( 36)
お題>ノックの音がした  Vol
★内容

  ノックの音がした。

  「「不吉な予感。ドアの外に、複数の人の気配。クスクスと笑う声も聞こえ
 て来る。

  ノックの音がした。

  今度は、さっきよりも強くドアが叩かれる。隣の部屋に廻り込む足音。マズ
 い。早く出なければ。僕は、急いで用を済ませに掛かった。

  ノックの音がした。

  と言うより、ドアが蹴飛ばされた。掃除用具のロッカーが開けられる音。
 キュッキュッと言う音は、水道の蛇口にゴムホースが接続される音だろうか。
 頭から水を被せようと言うのか。
 加藤あたりなら考えそうな事だ。外の連中は明らかに、こっちが焦っているの
 を知って楽しんでいる。
  頭上から笑い声。上を向くと、堀田が壁の上からこっちを見下ろして、ニヤ
 ニヤと笑っている。僕は慌てて中腰になると、ズボンを引っ張り上げた。
 「入ってんの河本だ!」
  堀田が、外に向かって叫ぶ。
  足元から、棒が突っ込まれた。デッキブラシの柄だ。水道の蛇口を捻る音。
  「「こら、やめろ吉川! 足を突っつくな! 加藤! 水を掛けるな!
  僕は、水が降って来る前に急いで立ち上がると、レバーを蹴っ飛ばした。次
 の瞬間、頭上のホースから床に水が降り注ぎ、飛沫がズボンを濡らした。
  僕は、内開きのドアを引き開けた。加藤達が、けらけらと笑いながら逃げて
 行く。後には、水を吐き出し続けるホースと、床に転がったデッキブラシが残
 された。

 「お前ら! 今日と言う今日は許さねぇ!」
  怒鳴り声を上げて加藤達を追いかけながら、僕は思った。
  「「小学校のトイレに入っていると、何故コケにされるんだろう……??


                    バッチイ話で失礼^^;^^;  Vol




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