#684/1336 短編
★タイトル (CNM ) 96/11/ 2 15:47 ( 26)
BLACK LIST(3):北埜 轍
★内容
「BLACK RIST(3)」
『ある作家の苦悩』
作家:あーっ、何も書かれへんーっ。わーっ、どないしよーっ。もう、なーんも思い
浮かばへんっ!
・・・玄関のベル:ピーンポーン、ピーンポーン・・・
作家:このくそ忙しい時に誰やねんっ!
・・・ドアノブを開ける:ガチャッ・・・
男:ジャーーーン、ジャカジャカジャーーーン。ギュイィィン、テケテケテケ・・・
作家:この寒い時期にアロハシャツ着てエレキ持って、あの加山雄三の「若大将シリ
ーズ」を彷彿させるような身なりのお前は一体何者やっ!
男:長い説明をどうも有難う。私の名前は「スランプ」でーすッ。
作家:「スランプ」って、あの「ばば抜き」とか「ポーカー」とかっていう・・・
男:それは「トランプ」。そうじゃなくて「スランプ」。貴方、超多忙な有名作家で
しょ?そんな貴方を私が見逃す筈ないじゃないですか。
作家:ほな何かっ、何も書かれへんのは貴様のせいやな?
男:幸せだなぁ。ボカァ君と居る時が一番幸せなんだ。死ぬまで君を離さないぞ。
・・・いいだろ?
作家:ええわけあるかいっ!やめんかっ!とっとと出て行きさらせぇっ!
(・・・それ以来彼の名を目にした者は誰も居ない)
「 BLACK RIST:ある作家の苦悩」