#93/1336 短編
★タイトル (RPG ) 93/ 7/22 11:20 ( 46)
お題> 僕は君だけは許せない かいん
★内容
僕の左隣には いつもの無邪気な君がいた
まだどこか幼げで それでいて素直で明るくて
妹のような僕の恋人
そんな君が 初めて僕に旅行の話しを持ち掛けてきてくれた
「温泉に行きたい」って
君と出会って2年目にして初めての旅行
僕は思わず彼女の頭をこづいていた
あまりにも可愛い過ぎたから
僕はそれから彼女に内緒で
旅行の準備をせっせと始めた
きっといきなり知らせたら驚くだろうな
二人分の旅費をバイトで稼ぐのも 何の苦でもなかった
頭の中にあるのは 君との旅行のことだけで
ただそれを考えるだけで 幸せだった
そう あの日までは
僕は時計台に背をぴたりとつけて待っていた
今日は彼女とのデートの日
もう何処へ行くかも考えていた
何処へ行けば彼女が喜んでくれるか
それを考えることさえ楽しかった
それに旅行のことで驚かせたかった
僕の顔は自然にほころんでしまうのだった
どこからか聞こえてくるサイレンの音
人のざわめき
僕は思わずあたりを見回す
トク トク と心臓の鼓動
(まさか..)
だけれど僕はここから動かない
ここは彼女との待合せ場所だから
ここから離れてしまったら 彼女が困ってしまうから..
僕は待った 約束の時間が過ぎても..
けれど彼女はとうとう来なかった
とうに太陽は沈み あたりは真っ暗闇だった
僕は意を決して彼女の家にTELをした
どうか彼女の元気な声が聞けますように
けれどその僕の思いは叶えられなかった
僕は君だけは許せない
僕を置いて行ってしまった君だけを...
Fin