AWC じゃり☆ジャリ★じゃり   悠歩


        
#83/1336 短編
★タイトル (RAD     )  93/ 7/ 9   0:26  ( 59)
じゃり☆ジャリ★じゃり   悠歩
★内容

じゃり☆ジャリ★じゃり
                      悠歩

 ジャリ……子供は気楽でいい。何も考えず、ただ元気に遊んで食っちゃ寝していれ
ばいい。
 ガキ……お子様は無邪気でいい。何も縛るものが無く、天真爛漫に思ったことを口
に出来る。
 子供は可愛い。思わず震える拳に力が入るほどに……。

 思えば僕にも幼く天使の様な頃があった。

『結婚ごっこ』
 子供には男女間の隔たりが無い。男の子も女の子も一緒になって楽しく遊ぶ。
 男の子四人と女の子三人。僕等は仲良しグループだった。
 その日も楽しく“鬼ごっこ”をしていた。
 歓声を上げて空き地を縦横無尽に駆け回り、元気一杯に遊んでいた。だけどいくら
子供だって、無限に体力が続く訳じゃない。
 走り回ることにそろそろ疲れてきたとき、女の子の中でも一際可愛らしいチャコちゃ
んが言った。
「ねえ、『結婚ごっこ』しましょう」
「じゃあ、わたし、ケンちゃんのお嫁さん!」
 とはミクちゃん。
「わたしはノブオくん」
 これはリカちゃん。
 チャコちゃんは既にマコトの腕をとっている。
 僕は余った………


『給食は残さずに……』
 僕は給食のツナサラダがきらいだった。特にあの中に入っている、刻んだタマネギ。
 あんなものは人間の食べるものじゃない。固くそう信じていた。
 ところが先生は給食を残すことを許してくれない。
 奇麗に食べ終わるまでは、たとえ五時間目が始まっても、給食を片付けさせてはも
らえなかった。
 いつもは優しくて大好きだった先生も、給食にツナサラダが出たときには鬼のよう
に思えた。
 その日はいつもにもまして、タマネギが苦くて喉を通らない。一噛みするごとに、
なにか酸っぱいものがこみ上げてくる。
「もう駄目だ!」
 そう思った僕は、先生の見ていない隙に給食を片付けてしまおうとした。だけど、
先生はそれを見逃さなかった。
 怒られる!
 そう思った僕に先生は優しく言った。
「先生がね、みんなの嫌いなものでも無理に食べさせるのはね、君達のことを思って
なの。学校の給食はね、君達の体にいま何が必要か考えられて作られてるの。だから
ね、残さず食べて」
 先生の優しい言葉に逆らえるはずなんてない。僕は溢れそうな涙を堪えながら、給
食を全部食べた。
 食べ終わった後は、気を失ってしまいそうなほど気持ち悪かったけど、先生の嬉し
そうな笑顔を見ていると、僕もとっても嬉しい気分になった。

 翌日から三日間、僕は激しい下痢のため学校を休んだ。


 ああ、子供っていいな。

                     終わり





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