#71/1336 短編
★タイトル (ZQG ) 93/ 6/25 4:20 ( 50)
お題>僕は君だけは許せない。 【惑星人奈宇】
★内容
12月に成り寒くなって来ました。
私は中年になって、運動不足に成りがちなのを悩んでいました。それで散歩と
か外に出て適当な活動をしないと身体の健康を維持するのに支障をきたすのでは
ないかと危惧を抱いていました。
庭の草取りをするとか、自転車にのって街までショッピングに行くとか実際に
行動を起こさなくてはいけません。
少し迷いましたが、まずは服装から整えようと考え、知合いの洋服屋に電話し
て相談してみました。当然のように防寒服さえ整えれば外出なんて楽しいものさ
という答が返ってきました。
「俺に合いそうな牛皮製の上着を持ってきてくれないか。但し韓国製で無いもの
だ」
「えっ! でも韓国製の牛皮製上着は安くて品質が好いよ。今や韓国製皮製品は
世界的水準にあり信頼できます。でも嫌いなら仕方ありません」
「それは……。戦争の時、日本が朝鮮を併合した時、日本軍人は韓国人を苛めた
でしょう。今だに日本人が韓国人に怨まれているように思えて……。だから嫌な
のだ。別に韓国を嫌っているのでは無いけど、これは僕の微妙な気持ちだ」
「わかった。明日5着程、そちらに持って行くよ」
翌日になり、友達の洋服屋は自動車に牛皮製の暖かそうなジャンバーやコート、
私に合いそうな一般的な上着をも乗せて持ってきた。
「韓国製では無い服だよ。着てみてくれ」洋服屋はニコニコしながら、僕に上等
の上着を着せてくれた。
私はどんなに寒くても快く散歩できたり自転車に乗れて、外見上も良いものを
と考えていた。十分試着した後、幾分丈が長くて濃いベージュの上着を買うこと
にした。
「これは暖かくて好いぜ。君にぴったり似合ってる」彼は営業マンらしくニコニ
コしながら私に言った。
これなら見栄えも好いし寒風にも耐えられるだろうと思い試着した上着を脱いだ。
何国製かなと思い、何気なく上着の内ポケットの辺りを見た。
「何だよ。これは韓国製ではないか!駄目だよ」
「えっ!韓国製?」
友達は不思議そうな顔をして、僕の所に着て服の内ポケットの辺りを見た。
そして、やはり納得できないという顔で私を見返しました。
私は、この洋服屋をどなってやりたいような衝動にかられました。
「ようく見ろ。これを……」私は、洋服屋の目の前に持って行き明瞭に見えるよ
うにして見せました。
「韓国製とは書いてないよ」彼は平然と答えました。
苛立った私は「これだ」と言って洋服屋に「Made in Korea」の
文字を示してやりました。
彼はニコニコ笑いながら持ってきた服を全部持って帰りました。
***** 完 *****