#2749/3137 空中分解2
★タイトル (CKG ) 93/ 1/27 18:48 ( 26)
●連載パソ通小説『権力の陰謀』 28.公表
★内容
信一は陰謀の真相を突き止めた後も再就職に勤めたが、景気は一層悪化し、特にコン
ピュータ業界は空前の不況となって行った。 この状況では、陰謀がなくなっても再就
職は困難であろうことは分かっていたが、工作者の暗躍が続く限り、自分の未来の可能
性はないだろうと思った。 そして、「何の理由もないのにやられていることは、何も
しないで終わることもない。」と、心に強く思った。
その後、今にも決まりそうな仕事が2〜3あったが、結局決まらなかった。 理由は
不明だが、陰の動きがあったことは感じていた。 経済的にも、いよいよ崖っ縁に立た
たされた。 信一は帝都知事に出した3回目の最後の陳情書の中で言った、それを実行
するときが来たと思った。 証拠も残さず裏でやられて来たことは、それを表に出し社
会的に問題にすれば、公正なやり方でその真相が明かにされ、罪を侵していない自分が
助かるだろうと常々考えてきた。 しかし、いきなり報道機関に訴えると、取り上げら
れないか、または事前に根回しされ、気違い扱いされ、政治的に無力化されるだろうと
考えた。
そこで、信一は自分のこの20年間を小説にし、大手パソコンネットのHOPE−N
ETの掲示板に載せることを思い付いた。 これなら合法的なやり方で、まず自分が健
康な精神の持ち主であることが証明され、なおかつ無力化されずに、自分の身の上に起
こっていることを最後まで公表することができると考えたのだ。 ありのままの20年
間の自分と自分の回りで起こったことが明らかになり、もしも誤解があったならそれが
解け、不正な行いは正され、奪われていた自分の人権は回復するだろうと考えたのだ。
こうして、信一の最初で最後の抵抗が始まった。 それは、平成4年11月4日のこ
とであった。
ヨウジ
初版 93-01-27