AWC    α−Pierrot


        
#2366/3137 空中分解2
★タイトル (EFF     )  92/11/18   6:34  ( 35)
   α−Pierrot
★内容

影が無数に伸びる朝靄の中
大地の透ける双葉が
光粒を持ち上げる
ひとつ、ふたつと数えるうちに
細いツルが伸びてくる

肩に掛かるインクと社会の匂いが
無性に恋しくなるとき
戦士ではなく冒険家でありたいと
何度唱えた呪文でさえ
吐いた白い息にはかなわない
生きた時代のせいにするより
足の裏に固まったマメに全てを任せて
血管の浮いた手で乾いた風を斬る
越えられないものはないと
蝿のくしゃみにも耳を貸し
這って造った獣道
二度と戻ることのないと思いながら
砕き掻いた血漿が
欠伸と共に片付けられていく
これもよい、と妥協していくものへ
自分は違うと訴えながら
ただ眺めることをやめられない

陽の当たらない半畳の庭に
芽吹いた名もない幼葉
振り上げた脚を降ろすことができないまま
枝の払った竹の棒を差してやる
二度とするまいと誓いながら


       [No.38]
      A-Pierrot
    (Only AWC)




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