AWC  「氷梢」14    由布子


        
#2019/3137 空中分解2
★タイトル (KPG     )  92/ 8/ 6  21:16  ( 25)
 「氷梢」14    由布子
★内容
 「あなたはまるで、現実に興味をお持ちじゃないような方ですね。」
 「いいえ、あなたがおっしゃる現実は私にとってあまりに狭すぎます。
  興味を持たないというよりも、たまたま認知している感覚なのです。
  目の前に置かれたものに対して、肯定もしなければ否定もしないと
  いう感覚なのです。」
 「でも、どちらかと問われたらなんとお答になられるのですか?」
 「あなたも疑問を好む性向のようですね。」
 「いいえ、私は代弁者のつもりなのですが。」
 「あなたは私自身であって、あなた自身である。私にとって私の精神に
  包括されている部分なのです。」
 「精神の世界へ逃げているということは無いのですか?」
 「なかなか辛辣ですね。じゃあ、科学的な私の願望を話しましょう。私
  は私自身と話しがしてみたいのです。私の総てがインプットされてい
  て、私の筋道が存在している機械があったら、それと話しをしてみた
  い。どんな会話になると思いますか?」
 「さあ?、おうむ返しか、そんな感じでしょうか?」
 「そうなんです。私の想像では、その機械は私の言葉を繰り返すことに
  なるでしょう。」
 「リピートする箱ですか?」
 「箱には未来は無いのです。私が箱に話しかける。箱にはその言葉が最
  新の情報としてインプットされる。その箱が私だけに限定されていた
  としたら、そういう結果になると思うのです。しかし、総ての社会を
  インプットしたら、何がしかの会話が成り立つでしょう。でも、それ
  は私自身では無い。」
 「そういう意味であなたは現実を認知しているだけと言うのですか?」




前のメッセージ 次のメッセージ 
「空中分解2」一覧 由布子の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE