AWC リレーQ>ブッシュ大統領殺人事件(38)  ふみ


        
#1978/3137 空中分解2
★タイトル (AFD     )  92/ 7/23  22:24  ( 70)
リレーQ>ブッシュ大統領殺人事件(38)  ふみ
★内容

 カリフォルニア大学の古い建物の一室。ジョドーと海野、それに砂堂の3人が部屋
に入ると、窓のそばの机の向こう側に茶色のジャケットを着た男が座っていた。机の
上で手を組んで、部屋に入ってきた3人をじっと見ていた。年は60歳前後、広い額
鋭い眼、白い口髭、2重アゴ、一見アメリカ人のようだが、口を開いて出た言葉は流
暢な日本語だった。

「ジョドー、待っとったよ」

ジョドーはソファーに腰を降ろすと、海野と砂堂の方を向いて「座りなさい」という
ように手を振った。

「ワシのことは……教授と呼んでくれたまえ。名乗る必要はないじゃろう。余計な情
報はお互いに知らんほうがいい。日本人の君達の名前も私は知らぬ。ジャッカルとシ
ャドーとしか知らんのだ」

教授はイスから立ちあがって机の脇を回り、3人のそばに立った。

「あまり時間がないのじゃ。手みじかに話す。ジョージ・ブッシュを抹殺する必要が
ある。それも出来るだけ早く」

教授が履いている足先の尖った靴を見ていた砂堂が顔をあげて言った。

「なぜブッシュを殺すのですか? 何か特別な理由があるのですか?」

海野が後を続けた。

「俺達は日本にいたときから、どうしてブッシュを殺すのか、その理由をはっきりと
知らされていないんです」

「ああ話そう。ジョドーは知っているかな」 教授はジョドーを見た。

「ええ。センデロ・ルミノソが……」

その名前を聞いたとたん教授が声をたてて笑ったので、ジョドーは驚いた顔をした。

「センデロ・ルミノソ……どこかの国の麻薬組織じゃな。ジョドーはそこの組織の一
員だ。ワシもその組織のブレーンということになっているが……実はだ。実はそうで
はない。ワシは彼らのためにブッシュを殺すのではない……」

ジョドーが何かを言おうとするのを教授がさえぎった。

「お前の言いたい事は分かっておる。組織はワシに多額の資金を提供した。彼らはワ
シに金を出し、ワシは彼らに知恵を出す。……そういうことになっとった。今までは
な」

教授は手をアゴの下にあててニヤニヤした。ジョドーは怒ったようにソファーから立
ちあがった。

「どういうことなんです。先生。全然お話が分かりませんわ」

「だからこれから話すと言っておる。聞きなさい」 教授はジョドーの肩をたたいて
座らせると、机の上に置いてあった一冊の小さな本を手に取った。

「ワシはヨーロッパの中世文学が専門だが、いろいろな言語に通じておる。日本語も
なかなかのものじゃろう。ワシは現代語ばかりでなく古代語にも詳しい。源氏物語を
原文で読めるのじゃ、くくく」

「何だかすげぇな、このじいさん」 海野は砂堂に耳打ちした。

「フランスの中世言語……特にプロヴァンス地方の言語を調べておったとき、ワシは
この本に目をとめた。これは有名な本だから知っておるじゃろう?」

教授は手にした本の表紙を開いて座っている3人に見せた。手のひらより少し大きな
その本の頁は黄色く変色していた。砂堂はその頁の一番上の行の、やや大きめの活字
をタドタドしく読んだ。

「LES PROPHETIES DE M.NOSTRADAMVS………ノスト
ラダムスの予言書だ!」
                    さぼっていた責任上私が続けます/ふみ




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