AWC リレーQ>ブッシュ大統領殺人事件(27) ふみ


        
#1818/3137 空中分解2
★タイトル (AFD     )  92/ 6/17  17:57  ( 53)
リレーQ>ブッシュ大統領殺人事件(27) ふみ
★内容

「タイアン。6月18日午後2時。JALロサンゼルス行き125便の機内にいる。
前の報告から現在までに何があったかはとても語り切れない。・・若い連中は血の気
が多くて展開がやたら派手なので苦労する」

クーパーの隣のフードを被った人物は、クーパーの首筋に「うっふんうっふん」と吐
息を洩らしていた。

「タイアン。クリスチーネを追い払う方法は調べる必要はない。私はこの状況を受け
入れることにした。彼は、もしくは彼女は、私を倒壊寸前の病院から助けてくれた命
の恩人であることを心に留めようと思う」「あら分かってくれたのね。うれしいわ」
「耳に舌を入れるのはやめてくれないか。まだタイアンに言うことがあるんだ」

クーパーは右手を伸ばしてフード頭を押さえつけた。

「タイアン。私の座席の前方にジョドーと影とジャッカルがいる。彼らは本物のブッ
シュを暗殺するつもりの様だ。本物のブッシュは・・」 クーパーはそこでハッと気
がついた。「クリスチーネ。お前はたしか本物のブッシュは日本にいて、アメリカへ
帰ったブッシュはお前の仲間が化けたニセモノだと言っていなかったか?」「・・あ
あそうね」「それは何と言うか・・いわゆる『矛盾』という奴じゃないか?」

「いいわ。説明してあげる。私たちの『変身』というのは100%完璧なの。細胞の
1つ1つが対象に成り切ってしまうのよ。だからね、正確に言うとニセモノとホンモ
ノがいるんじゃなくて、ホンモノが2人いたのよ。今アメリカにいるブッシュは、元
は私たちの仲間だったんだけど、今はブッシュそのものなのよ」

「よく分からないが・・まぁそれで矛盾は解決したことにしよう」

スチュワーデスの陽子は、同僚の美枝子と調理室で話していた。

「ねぇ美枝子ぉ。今日のお客さん変な人ばっかだと思わない? エコノミーに中国女
と日本人の男が2人いるでしょ。でかいほうの男の頭見た?」

「見た見た。傷だらけ。ツギハギしたみたい。気持ち悪るーい」
「何かさぁ。脳味噌がパァと飛び出ちゃってまた元に戻したみたい ゲロゲロ」
「それから後ろの方の席にさ、フードを被った変なのがいるでしょ」
「いるいる。あれ男? 女?」「男じゃない? わかんないけど。隣の男とベトベト
しちゃってさ。ホモなのかしら。やだやだ」

その時、知恵理がファーストクラスから戻ってきた。ハァハァ言いながら胸に手を当
てていた。「どうしたの? 知恵理。そんなに汗かいちゃって」

「あーびっくりした。聞いて。ファーストのお客さんですっごい変な人がいるの。私
が側を通ったら、突然『きょほほほほほほほほほほほほほほほほ』と笑ったの。顔を
見たらネズミ男みたい」

「その人どこに座ってた?」「231Bだったかなぁ」

陽子は棚から乗客リストを取り出すと、ファーストクラスの頁を開いた。

「えーと231B、あった。『ムオーキ・アージョ』 なにこれぇ、変な名前」
                                  (続く)





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