#1801/3137 空中分解2
★タイトル (HBJ ) 92/ 6/15 7: 4 ( 70)
リレーQ>ブッシュ大統領殺人事件(16)<コウ
★内容
ここで、やんわりと、時間は、元に戻る。
掃除夫になりすました海野と砂堂は窓をあけ、向かいの虎ノ門病院をにらみつけていた訳だが、
砂堂は、泥水の入ったバケツの中から、ロープを取り出した。
「おいおい、何をする気?」と、海野。
「何って、こいつを、向こうの病院に・・・・」
「馬鹿やろー!(大島渚風)」と言って、海野は、砂堂の頭をはたく。
「こんな所で、ブンブンやったら、怪しまれるでないけ。こっち、こっち」
という訳で、海野と砂堂は、便所の隣の倉庫らしき部屋に入った。
砂堂は、マルボロのCMの真似をして、虎ノ門病院めがけて、縄投げをした。
でも、全然、上手く行かない。実は、今一、やる気がしなかったのだ。
「どうして、俺、こんな事しないといけない訳?」と、縄を投げ投げ、砂堂が聞いた。
「それは、動機が無いからじゃないか!」
「動機が無いと、どうしてやる訳?」
「動機が無ければ、怪しまれないからじゃないか。そんな事も解らないのか!
だから日本は駄目なんだ!馬鹿やろー!(再び大島渚風)」
「馬鹿やろーとはなんだ」
「馬鹿やろーだから馬鹿やろーなんだ。馬鹿やろー!(みたび大島渚風)」と海野。
「貴様に、そんな事、言われる筋合いはねえ!」
と、砂堂は、突然、プッツンして、海野にフック一発。
「ああ、もう、止め、止め」とムカついた、砂堂は、そこらへんのダンボールを蹴飛ばした。
ダンボールに穴があいて、小さな瓶がゴロゴロと床に転がる。
その1ケを掴むと、砂堂は、虎ノ門病院めがけて、投げつけた。「もう、俺は知らないぜ、全く」
ここは、虎ノ門病院VIPルーム。
窓際にたっていたSPの後頭部に、瓶は、見事に命中!
瓶は砕けたが、SPの頭は砕けなかった。
「ソレハ何デスカア?」と、ベットの上で、回顧録の下書きをしていたブッシュが、SPに聞いた。
「痛い・・・・。はあ?これ?これって、どれですか?」
「ソノ、白い粉デス」
病室の床には、白い粉が飛び散っていた。
「モシカシテ、コカイン、デスカ?」
「コカイン?」
「今、ワタシ、ノリエガ君トノ喧嘩ノ部分、書イテイマシタ。悪イ思イ出ネ」
SPは、小指をなめると、床の粉を摘んでなめてみた。
「うーむ。塩です。大統領、これは塩です!」
「シオ?」
「ソルトですよ」とSP。「しかし、一体、誰が、塩なんて・・・・」
「ワタシニハ、見当ツキマス」とブッシュ。
「はあ?」
「多分、ケント・ギルバート、ノ、仕業ネ」
「ケント・ギルバート?」
「彼、ワタシヲ恨ンデイマス」
「そりゃまた、どうして?」
「ケント・デリカット、シカ、晩餐会ニ招待シナカッタカラネ。彼、シットシテイル」
「そうか、解った」とSPは言った。「シットでシオですか」
「アナタ、馬鹿デスネ。ワタシ、秀才ネ。エール大学ダカラ」
「シットしたからシオなんじゃないんですか?」
「全然違イマスネ。ケント、ハ、ユタ州ノ出身デスネ。ユタ、ト、言エバ、ソルトレイク、デショ」
「うーん。今一、わたしには解りませんが」と言いつつ、後頭部をさすりながら、SPは、窓の外を見た。
そこには、でかでかと、『JT』という看板。
「分かりました。大統領!」
「何ガ?」
「だから、何故、塩の瓶を投げたかがですよ」
「ワタシニハ、分カラナイ」
「私が説明しますから、大統領は黙っていて下さい」
「何故、黙ッテイルノデスカ?」
「それは、f7キーで、カタカナに変換するのが、面倒臭いからですよ」
SPは、砕けたガラス瓶を見つめながら、サングラスをかけなおし、SPの威厳を繕って、説明した。
「大統領、JTとは、日本たばこ産業の略なんですが、何でだか知らないのですが、塩の専売もしているんですなあ。
しかも、です、大統領。日本には、敵に塩を送る習慣があるのです。
殺す前に、敵に塩を送るのです。これは、重大な事になりそうですなあ」
(つづく)