#1790/3137 空中分解2
★タイトル (AFD ) 92/ 6/11 20:30 ( 61)
リレーQ>ブッシュ大統領殺人事件(10) ふみ
★内容
「まぁまぁ」と荒俣宏っぽい男は言った。「ワタシの天才詐欺師的ウソ構成能力を信
じていただきたい。7月31日午後12時までには、このリレーQが何とかなってい
ることを諸君にお約束しよう」
ムカムカしてテーブルを蹴飛ばした女の所に、マスターらしき男が怖い顔をしてやっ
てきた。「ちょっとお客さん、困りますねぇ。割れたカップ弁償してもらいますよ」
「・・・・・」「ちょっとあんた、黙ってないで何とか言いなさい」「・・・・・」
このとき海野と彼の同僚の砂堂良が店に入ってきた。砂堂は手にノートパソコンのケ
ースを下げていた。テーブルに着くとすぐにケースを開いてキーボードを叩きはじめ
た。海野はコーヒーを2つ注文すると、堰を切った様に喋りだした。
「今日の昼メシは部長に付き合わされて、もうサンザンだったぜ」
「ああ」
「あの二階堂のバカめ、俺が死んだら机が空いて風通しが良くなるなんてことぬかし
やがる」
「ああ」
「おい砂堂、聞いてるのか」
「聞いているさ。それよりこれを見ろよ」
ディスプレイに無意味な文字列が並んでいた。砂堂が何かのキーを押すと、文字が一
瞬にして日本文に変わった。
「さっき『ブラック・ジャンプ』日本支部からメールが来たんだ。いま暗号解読ソフ
トにかけたところさ」
「・・おいこんな所でその話はヤバイんじゃないの。俺のマンションで話そうぜ」
「いや、これを見ろ。【至急】になっている。緊急指令だ」
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発信者:旅姿3人男
受信者:影
内容:【至急】ジョドーとコンタクトを取れ。目印はミッキーマウスのヘアピン。
ジャッカルも待機せよ。
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「一応説明しておくとだな」砂堂は面倒くさそうに言った。
「旅姿3人男は『ブラック・ジャンプ』日本支部の暗号名だ。影とは俺。砂堂つまり
シャドウで影というわけさ」
「ジャッカルってのは?」
「君のことだ。海野十平君。俺が支部に連絡したとき『十平』がなぜか『ジャッカル
』に聞こえたらしい。とにかく君は、既に俺たちの組織の一員だってことを自覚して
くれよ」
隣でマスターとトラブルを起こしている女は、黙ったまま立ち上がって店を出ていっ
た。マスターは呪いの言葉を吐きながら倒れたテーブルをおこした。ふいに彼の背後
に紫色のチャイナドレスを着た女が現れた。彼女は腰を屈めて床に落ちた砂糖入れを
手にとるとテーブルに戻した。
「こりゃどうも。ご親切に」マスターはブツブツ言っていた自分が恥ずかしくなって
照れ笑いをした。女は軽く微笑むと、海野と砂堂のテーブルの前を通り過ぎて店の奥
へ歩いていった。
「おい砂堂。見たか今の。チャイナドレスってのは裾が割れているからよ。屈んだと
きにゃグッとくるぜ」
「海野君は足ばかり見ていたんだな。じゃ無理もないけど」 砂堂は呆れた様に言っ
た。「彼女の頭にはミッキーマウスのヘアピンがあったよ。あれがジョドーさ」
(続く)