AWC 劇物語:悪もつひには滅びぬ−ボス電撃逮捕     弾正


        
#1784/3137 空中分解2
★タイトル (TAA     )  92/ 6/ 9  22:58  ( 91)
劇物語:悪もつひには滅びぬ−ボス電撃逮捕     弾正
★内容

<登場人物>

 原発 はら あきら(地方検事)
 極楽昇 ごくらく のぼる(暴力団極楽組組長)
 ヤバそうな兄ちゃん(暴力団極楽組のチンピラ)
 組員A(暴力団極楽組組員)
 組員B(暴力団極楽組組員)
 組員C(暴力団極楽組組員)
 刑事A(大口警察署の警部)



    と き−平成X年4月1日
    ところ−大口市暴力団・極楽組本部前


    客席溶暗。
    緞帳上がり、舞台暗黒。

    ドン!ドン!ドン! ドン!ドン!ドン!

    激しくドアをノックする音。それが何度か続いて、舞台溶明。
    舞台の中央にドアがある。その右側に身構えた数人の男達。
    舞台の左は、暴力団・極楽組の事務所で、タバコをふかすなど各自好きかっ
    てに外の騒がしさを聞いている。

原発「開けろ! おい、そこにおるのはわかっとんや! 出てこんかい!」

    しばらく原発のどなり声が続く。

原発「開けへん気か? このまま出てこんつもりやったら、踏み込むど!」

    何度もドアの外で大声でわめかれ、ついにドアが開く。そこからサングラ
    スをかけた、いかにもそれっぽい若い男が姿をみせる。

ヤバそうな兄ちゃん「(ドアを勢いよく開けるなり)なんや、オー! なんか、文
 句・・・」

    男が最後まで言い終わらないうちに、刑事達が舞台左手の組事務所になだ
    れ込む。事務所は蒼然となり、組員が一斉に立ちはだかる。

組員A「(刑事に立ちはだかって)コラァ! ワレら誰に許可もろて、きとんじゃ
 い!」
組員B「(踏み込んてきた刑事に殴りかかりつつ)ワレ、なめとったらアカンど!
 なんのつもりや、オラッ! 出ていけ、あほんだら!」
組員C「(刑事達ともみ合い、目をむきながら)組長は、留守や! ワレらに用は
 ないわい! 出ていかんかい!」
組員D「(刑事達に押され、殴られながら)オラ! ちゃんと令状あるんやろうな。
 あるんやったら、令状見せてみんかえっ!」

    原発が、一歩進み出る。

原発「だまっとらんかい! ガタガタ騒ぐんやない。 組長はどこや? おい、組
 長出したれゆうとんのや! 組長に逮捕状が出とるんじゃ。 このとおりや!」
組員ALL「なんやとぉ! うちの組長がなにした言うんや! 帰らんかぇ、ボケ!
 税金のムダ遣いしとったらアカンどー!」

    いきがって、かかってくる若い組員達を必死になって鎮める刑事達。刑事
    と組員の押し合いとなる。

刑事A「(かかってきた組員の顔を鷲掴みにして)オラァ! おまえらそれ以上ガ
 タガタぬかしとったら、公務執行妨害で臭い飯食わなあかんようになるど!」

    それでもいきがってかかってくる組員達。しかし、勝負はあっけなくつき、
    組員達は公務執行妨害のオマケを付きで刑事達にたたきのめされる。
    そして、舞台左組長のデスクに刑事達がなだれ込む。
    そして極楽が、おもむろに火を付けようとする葉巻をたたき落とす。

極楽組長「(葉巻をたたき落とされて蒼白になりつつも)最前から、エライやかま
 しなぁ、近所迷惑ですがな。なんぞご用だっか? わしら、警察の世話になるよ
 うなことしてまへんで。なんかのまちがいでっしゃろ?」

    先の中年の地方検事・原発が懐から一枚の書類を取り出して、組長の前に
    広げる。

原発「地検の原や。お前さんに、逮捕状が出とる。貴様を殺人、傷害、恐喝、売春、
 監禁、強姦、放火、窃盗、横領並びに、道交法違反の容疑で逮捕する。さあ、一
 緒にくるんや! はよ、したらんかえ! トロトロしとったら日が暮れんど!」

    ついに、極楽は観念し、刑事に同行する。しかし、手錠をかけられながら
    も、ふてぶてしい態度をとる極楽。一行は極楽をせき立てながら舞台右手
    に退場。
    突然、自動車の扉の閉まる音と、パトカーのサイレンが聞こえる。
    やがて、それが小さくなってゆき、舞台溶暗。

    終幕。


                          弾正(だんじょう)





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