#1764/3137 空中分解2
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偉大なアグネス(2) クリスチーネ郷田
★内容
第2章 アグネスの歴史
アグネス研究の上で忘れてはならないのは、彼の生きた時代そのものを把握するべき
だという事である。この章では、彼の人生を歴史的事件とからめて探って行こう思う。
紀元前
アグネスはこの時代、まだ誕生していない。ただ、彼の祖先となった「原人」が登場
している。ネアンデルタール人やクロマニヨン人、ホモ・ハビリスと言ったお猿さんた
ちが、以後アグネスの血肉を形成する事になる。その過程はとても一言では説明しきれ
ない。もちろん原人の中にも理性的な人物はいたが、そこはやはりサル。理性などもの
ともせず、近親相姦や、獣姦、レイプなどが当然のごとく行われていた。
そういった事件は陰湿で、筆舌に尽くしがたいため割愛する。ただ、レイプされたク
ロマニヨン人女性のB嬢(匿名希望)は、貴重な証言を残しているので、この点には触
れておきたい。(入手ルートは極秘。)
「ええ、そうなんです……。私がショッピングに行った帰りの事なのです。ああ!思い
だしたくない……!!そう、あの時私は、何人ものクロマニヨン人に取り囲まれていま
した。その時の恐ろしさと言ったらありませんよ!!彼らは口々に私を侮辱しました。
「このアバズレめ」とか「売女め!」とか。でも、私は黙っていました。心の中では、
「ムッキー!キキキー!!」と言う気分でしたが、こらえるしかありませんでした。」
彼女の心の叫びは、現代人の心にせまるものがある。(せまらない場合、責任はクロマ
ニヨン人のB嬢にある。私のせいではない)
1939年
第二次大戦。まだアグネスは誕生していない。だが、この時代のナチスドイツのよう
な国家を彼は夢見ていたようだ。彼の領土拡張政策はナチスドイツをお手本にしている
のである。「アグネス共和国」は、一時期はまさに大帝国であった。アグネスのポーラ
ンドへの電撃的な襲撃は、過去を知るものにとっては懐かしい思い出である。アグネス
がポーランドを併合してしまうとは誰も予想しなかったのだが、彼の奇抜な奇襲方法は
それを成功へと導いた。まさに軍神といったところだ。この事件は後ほど触れる。
1990年1月1日゚
アグネス誕生。この日、国民は盛大にアグネス誕生を祝った。ある者は初詣をし、ま
たある者は雑煮を食した。中には、のどにもちを詰まらせ、死ぬ者も続出したという。
1991年1月
アグネス1歳の誕生日。以後、彼は1992年に2歳に、そして1993年にはすで
に3歳に成長していた。1994年に至っては、彼はなんと4歳になっていた。アグ駘
スを知る者は語る。
「確か、1995年だったと思う。そう、彼は5歳になっていた。」
彼は成長を続け、その勢いはとどまるところを知らなかったようだ。
「そして次の年、1996年。アグネスは6歳ノなり、小学校に入学するんだ。」
1996年
ポーランド奇襲、通称「電撃作戦」。小学生になったアグネスが考えた奇襲作戦゚であ
る。アグネスを幼い少年だと思って「油断」したポーランド人の隙をついて、攻撃を開
始するのである。油断大敵とはこういう事を言うのだろう。あどけない小学生がとても
強いとは、誰もが予想していなかった。一般常識が根底からくつがえされる事件であっ
た。まさに、コペルニクス的転回と言ったところだ。
戦いは3日3晩続いたが、ついにアグネスは勝利をおさめ、ポーランドを併合するので
ある。
1998年
アグネスは世界征服の野望に飽きてきた。あまりにも簡単に強国を征服出来るのだか
ら無理は無い。アメリカ合衆国でさえ、アグネスの前では赤ん坊のようなものであった。この年、アメリカは突然アグネスに対して核爆弾を打ち込んで来た。周囲の人間は一瞬
のうちに燃え尽きて灰になってしまったが、日頃肉体を鍛えているアグネスは、かろう
じて生き延びた。この事に腹を立てたアグネスは、あっという間にアメリカを征服して
しまったのである。
だが、アメリカ征服の後、アグネスは「世界征服の夢」を捨てる。
そのかわり彼は、甲子園を目指す事になるのだ。
彼は後に星雲高校に入学し、野球部に入部。良き仲間と共に夜遅くまでハードトレーニ
ングの毎日を送る。
「いつの日か甲子園に。」
それがアグネスと仲間たちの合言葉であった。ピッチャーの彼は学園の人気者。げた箱
にはいくつものラブレターが投げ込まれている。しかし、彼にはもう心に決めた人がい
た。幼なじみで野球部のマネージャー、C子である。
今日もアグネスはC子の声援を聞きながらトレーニングにいそしむ。そして心の中でつ
ぶやく。「C子、おまえを甲子園に連れていってやるからな。待ってろよ。」
青春、それは青い春と書く。赤秋、それは赤い秋と書く。私は春は好きだが、秋も好き
だ。夏と冬はいただけない。なにしろ夏は暑いし、冬は寒いからである。アグネスはま
さにこの世の春のまっただ中にいた。だからと言って彼は春を売るなどという事はしな
かった。売れば金になるのだがな。
(次回、「アグネスと仲間たち・いつか甲子園に」に続く(と思う))