AWC パラレル>「鷹司」 プロローグ (後編) らいと・ひる


        
#1252/3137 空中分解2
★タイトル (NKG     )  91/10/31  21:50  (113)
パラレル>「鷹司」 プロローグ (後編) らいと・ひる
★内容
 地下数百メートルにあるワーノルク研究所地下プラント。
 鷹司は、セイラに操られた警備兵に捕らえられ、地下プラントの一角に作られた研
究施設へと連れ込まれた。
 そこには、人一人が入れる人体カプセルのようなものがあった。そして、その傍ら
にある、簡易光縮炉。
 鷹司には、それが何であるかわかった。
 虚数磁場発生装置。ただし、人体の安全を確保する為に光縮炉の暴走を瞬間的に
止めるASL(オートセーフティロック)も、現座標を表示するモニターもついて
いない。
 これを使えば確実に、次元の狭間を見る事ができる。自分の命と引き換えにだ。
 セイラ・ファイン。鷹司は、だんだんと遠い記憶を思い出していた。
 ルイス・サイファーは、セイラにより、次元の狭間へと落とされかけ、偶然に
今の世界へとたどり着いた。そして、そこで前世の肉体を消滅し、現在の鷹司と
なった。
 なぜセイラがこれほどまでに自分に執着するのかまでは、まだ思い出せなかった。
 だが、敵であることには間違いないようだ。
『今度こそ次元の狭間に消えるがいい』
 セイラの目が光り、警備兵がいっせいに銃口を鷹司に向ける。
 鷹司の側では光縮炉が作動し始め、高周波が辺りにこだまする。
「ちっくしょう!………いちかばちかだ!」
 白く輝き出す鷹司の身体に、空間の粒子が渦を巻く。
 鷹司は、牢抜けの時と同じように生体エネルギーで反転空間を作りだそうとして
いた。
『無駄なあがきはやめたまえ。同次元間の簡易転移は、半径数十メートルが限界だ。』
「そいつはどうかな?」
 鷹司は、光の中で薄ら笑みを浮かべている。
『まさか、異次元への転移を考えているのではないだろうな?三次元人の身体では
それは、不可能だとわかっているはずだ。………フフフフ、まあよい。』
 その時鷹司は、神崎主任の言葉を思い出していた。
「パラレルワールドには、時空の時間軸を基本に現在の自分の座標を中心とした無
限円が広がっている。これらの中には、未来の選択支だけではない無数の裏宇宙も
持っている。だからどんなスーパーコンピュターを駆使して計算しても、転移した
空間ベクトルを割り出す事は不可能に近い。………もし、自分の世界を離脱し、別
世界に転移した者がいたとしても、その人物は元の世界に戻れる確率はほぼ無限大
分の一なのだ。」
 反転空間内では、三次元人の知識では、自分の座標を確認することができない。
よって、反転空間での移動は自殺行為に等しい。

「主任。虚数磁場反応が、地下プラントに!」
 鷹司の後輩の研究員が、神崎主任のもとへ駆け寄る。
「詳しい場所は?」
「F−4ブロックです。」
「モニターに映せるか?」
「はい。」
 モニターには、鷹司の姿が映し出されていた。
「鷹司先輩。」
「うっ!あれは………」
 鷹司の横にある、簡易光縮炉に神崎主任はすぐに気がついた。
「ちょっと、待ってください。なんで鷹司先輩がここに………あー!光縮炉が作動
していますよ。あのままだと………」
 そのうち鷹司の身体が光りだすのを確認する。
「転移が始まったのか?!」
「えっ?」
 若い研究員は、何の事だかわからないようだ。
 生体エネルギーを利用して、反転空間を作り出す理屈は、三次元の人間には理解
できない。だが、理屈さえ理解できれば普通の人間にも反転空間は作り出せる。

『そこまでだ!観念するんだな。』
 光縮炉の臨界ランプが光り出す。あと三十秒ほどで暴走が始まるのだ。
 だが、鷹司の生体エネルギーの方が先に反転空間を作り出していた。
 これを使えば、セイラから逃げる事ができる。
 危険な賭であるが、暴走状態に巻き込まれて次元の狭間に飛ばされるよりはまし
である、そう鷹司は覚悟を決めた。
(亜璃沙!ぜったいに戻ってきてやるからな……絶対に…………)
 鷹司の身体が空間から消えていった。強い想いを残して。

 街頭を歩いていた亜璃沙は、何か不安を予感して立ち止まる。その耳には微かに
鷹司の声が聞こえてくる。
「鷹司!!!!!!!」
 泣き崩れるように叫ぶ亜璃沙に、新たな鷹司の声が伝わる。
 その声で冷静さを取り戻した亜璃沙は、胸の中で静かにメッセージを綴る。
(鷹司………絶対………絶対に戻ってくるのよ。約束破ったら承知しないからね。)
 鷹司の想いは強い念波となり亜璃沙に伝わったらしい。

 鷹司のパラレルワールドへの旅が今、始まった。そして………………




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 言い訳&補足事項 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 今回の作品は反則技が多すぎるって事で、言い訳や補足事項なんかを書きたいと
思います。
 なんたって、今回は文章が破綻している。書いていて自分でも訳がわからなくなっ
てしまいました。特に次元間理論の所なんか、頭の中がミルフィーユになってしまっ
てどう収拾をつけていいのかわからなくなってしまった。いちおう、相対性理論の中
のミンコフスキー空間をもとにして、自分勝手なSF的解釈で書いたんですが………
うーん、あんまし深く考えない方がいいかもしれませんね。これは、SFだぁ(笑)
 それから、反則その2。作品が2MSG分にもなってしまった。これは、始めから
予想してたんですよ。ショートショートって書くのが苦手な上に、今回は舞台設定に
凝りすぎた。いやーパラレルって奥が深いですね。(←ごまかす奴)
 反則その3。ルイス・サイファーは、映画「エンゼルハート」からの引用。だから
セイラ・ファインの方も説明する必要ないですね。なぜ、セイラがルイスに執着する
か?ってのもここにヒントがあります。(えっ?「「エンゼルハート」を観た事がな
い人はどうするのかって?でも、ここで、ネタをばらしちゃうと映画の楽しみが半減
しちゃうので、あえて書くのはやめます。)
 反則その4。予告編を先に出した訳。そうです。お題のくせして、反則その2をや
ってしまったからです。もし、こんな作品を一番でアップしたら、みんなが(特に新
しい人)混乱するでしょ。
 反則その5。物語が終わってない。これは、この作品の鷹司が他の作者の鷹司の世
界を回っていくという設定があった為です。だから、サブタイトルに「プロローグ」
なんてのがついてるのです。
 反則その6。気が向いたら「エピローグ」編を創るつもりである。でも、「夢から
醒めた天使」の第三章が出来上がらないと、無理な話であるな。「夢から〜」の予告
で第三章は十月とか言っておいて、もう十月が終わってしまった。十一月中にはアッ
プしたいんだけど、無理かなぁ(^_^;)
 反則その7。あとがきなんぞを悠長に書いている。これは、見苦しい言い訳をする
為です。なんとでもいって…………

 あー、疲れた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





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