AWC がんばれ美由紀ちゃん−大坂秋の陣−(1)  かきちゃん


        
#1172/3137 空中分解2
★タイトル (ENB     )  91/ 9/16  22:19  ( 97)
がんばれ美由紀ちゃん−大坂秋の陣−(1)  かきちゃん
★内容

1.プロローグ

 相変わらず汚い部屋だ
六畳一間、いや、1DKのマンションに残業を終えて戻ってきた俺はいつものように
思った。
 部屋の中にはベット、8万9800円のステレオ、S−VHSのビデオ、本棚、N
ECのPC−9801RX21などと共に空かん、空き瓶、一升瓶、カップメンの空
きカップ、雑誌、古新聞、ダッチワイフ(これは嘘だよ〜ん)、ゴキブリの死骸(お
いおい)などが乱雑に配置されている。典型的な(?)独身男性の部屋である。
 俺はため息をつき、ひとっ風呂浴びた後、カップラーメンをかっこみ、”函館さき
いか”を肴にビールを飲みはじめた。時計は十時を指していた。

 俺はまあ、どこにでもいるごく普通の独身サラリーマンで、名前を明智大五郎とい
う。どこかの有名名探偵みたいな名前だが、小五郎さんとは何の関係もない。
 ちなみに親父は光秀といい、一時は某中小企業の代表取締役にまでなったが、12
日後に社長の座を終われ、ショックで死んでしまうという、実に名前どうりの人物で
あった。
 そして、その後の社長の座にすわったのが羽柴さんという人だったのかどうかは知
らないが、今は徳川という人が代表取締役に就任し、その会社はうまくいっているよ
うである。

 「ぷはーっ、うめー!」などと空しく独り言をいいながら”あーあ、彼女でもいれ
ばなあ”と思いつつテレビのスイッチをいれようとリモコンをゴミの山から取り出し
、電源を入れた。画面に映っているカワイコちゃんに一人でブツブツ話しかけている
と(あ、あぶない)、突然呼鈴が鳴った(普通、予告してから鳴ることはないが……
)。
 誰だろう、こんな時間に……
 俺はとっさにシュミレートしてみた。
CASE1.強盗:PC−9801だけは守らなくては……。
CASE2.美少女:ありえない。
CASE3.酔っぱらった同僚:ようし、とことん相手してやろうじゃないか。えー
と、あとは……と考えながらドアを開けるとそこには...なんと...!!!
 美少女が立っていたではないか!
……ありえないことではなかったのか...と反省しつつあごをだらーんと下げなが
ら、
「ひゃんかひょうふぇふか(なんか用ですか)」と間の抜けたことをいっていた。

 俺が呆然として立っているとその少女は俺を押し退けて部屋に入り、ベッドに座り
込んだ。ミニスカートなのでふとももの奥が見えそで見えない。
 俺は気を取りなおし、少女に向かって
 「何なんだ、君は。人の家に勝手にあがり込んで!」
と叫んだ。
 すると少女は、
 「お願い!しばらくここにおいてほしいの!」
と目をうるうるさせて言った。
 「じょ、冗談じゃないっ!見も知らずの女の子をはいそうですかと独身男の部屋に
おいておけるか!そんなこと本人や神様が許しても世間様が許さん!」
  さらに俺は続けた。
 「だいたい君の家族が心配するだろ!誘拐罪なんかで訴えられたらこっちがたまら
ん!」
 「だって、家に帰れなくなっちゃったんだもん!」
といって少女はわーっと泣きだした。

 少女が泣き出して俺はうろたえた。何しろいままで女の子に泣かされたことはあっ
ても泣かせたことはなかったのだ(空しい青春)。どうしよう………おろおろおろ…
……。
 と、ともかく落ち着くんだ。落ち着いて落ちつかせるんだ(なんのこっちゃ)。
 とりあえず落ち着いて落ち着かせて少女から聞き出した話はこうだった。
 少女の名前は小林美由紀と言って二十歳の女子大生である。
彼女の父親・小林忠勝は徳川商事(俺の親父が勤めていた会社だ)につと待ていて社
長秘書をやっていたらしい。
それが一週間ほど前徳川社長が「機は熟したぞおーっ!いざ如水を討ちにゆかん!」
と叫んで会社を飛び出し、そのまま行方不明になってしまったそうだ。
彼女の父親は社長秘書として一週間徳川社長を捜し続けたそうだが、今朝突然「殿、
いま参りますぞお!」と叫んでこれもまた家を飛び出して行ったそうである。
 少女はとりあえずそのまま学校に行ったそうだが、授業が終わり、家に帰ってドア
を開けたところ、何とドアの向こうには野っ原が広がっていたというのである。
 おかげで少女は家にはいることができず、さんざん考えたすえ、以前父親が言って
いたことを思いだしたのである。
 彼女の父親は俺の親父と仲が良かったらしく、小さいときに母を亡くした、目に入
れても痛くない、穴にいれたら気持ちいい(何のこっちゃ)かわいいかわいい一人娘
に、「いいかい、美由紀。もしもパパに何かあったらパパの同僚の明智という人を頼
るんだよ。信用できる、いい人だから。」と少女に言っていたそうだ(もちろん親父が
まだ生きていた頃であろう)。
 そこで、電話帳でここの住所を調べて(うちの電話は親父の名前で登録してあった
のをかっぱらってきている)ここにやってきたそうだ。

  「というわけなの。ここにおいてね。」と美由紀はここから動こうとしない。
 「だめだだめだだめだ!」
 「∞℃♀∴°£≧≦$$!」
  「¥♂÷〜〇●□△※〒→↑!」
  「なによ、こんな真夜中にかわいい女の子を一人で外におっぽりだそうっていうの!」
  「うっ」
  しかしそれも道理だ。こんなかわいい女の子をこの時間に追い出すのはかなり危険だ。
どこかの変態じじいに襲われるぐらいなら俺に襲われた方がまだ世の中のためだ(ほ
んとかよ)。
  「うーん」
  俺はしばらく考えて結論を出した。
  「わかった。じゃあ俺は外で泊まってくるから君は今日はここに泊まればいい。明日俺は直接会社に行くから、君は明日の朝ここをでて落ち着き先を見つけてくれ。」
と言って美由紀にここの鍵を渡し、
 「この部屋の鍵だ。明日出て行くとき郵便受けにいれておいてくれ。」
美由紀は黙ってうなずき鍵を受け取った。そして俺はカプセルホテルに出かけたので
ある。




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