AWC 『森の仲』に寄せて       あふり


        
#1153/3137 空中分解2
★タイトル (QWG     )  91/ 9/ 3  23:13  ( 24)
『森の仲』に寄せて       あふり
★内容
この少年の、女性性に対するロマンティチシズムと畏れの、なんという瑞々しさ!
<知識>に対するナイーヴな自負心

ねえ、僕らはとうに忘れていたよね
幼なじみと遊んだ原っぱから初めて森に踏み入ったとき
昏さと
迫り来る何とも知れない獣の吠え声に脅かされて
竦んだ足が抗いようもなく根となり
既成の土壌に宥めすかされて
なぜ?なぜ?、そう叫びながら
一本の木に姿を変えて森に取り込まれていった自分を

<ちしき>という木に固まってしまった少年は
森に吹き込む風に触れて
揺られ
いつか目覚めるだろうか
昔、原っぱでわたぼうしだった頃
自分は風に乗ってもっと遠くまで飛べたんだということを
思い出し
みずから枝を広げ風を呼び込んで
胞子を風に託すだろうか
遠く
遠くの見知らぬ原っぱに落ちた胞子が
そこで新しい森を造るようにと




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