AWC イディオット再アップ      クリスチーネ郷田


        
#1145/3137 空中分解2
★タイトル (MEH     )  91/ 9/ 2   0:59  (116)
イディオット再アップ      クリスチーネ郷田
★内容

この作品の一話、ずーっと「アーサー・ザ・イディオット」だったのだが、他のやつは「エリック」となってた事、気付いてました?最近気付いた私であった。これは修正版です。しかし主人公の名前を間違えるとはな、ダハハー。いくら作る期間が長かったとは言え、困ったものだ。

英国王イディオット伝

エリック・ザ・イディオットは、歴史上名高いアホだった。そのアホさかげんに魅力を感じる人々も多い。彼は暗黒時代にイギリスの農家で産声をあげた。
「ホンギャア、ホンギャア。」と言う産声が
あがった。エリック王の誕生の瞬間だ。
「あんれまあ、この子は、始めから隠毛が生えているよ。きっと、将来偉くなるね。」
産婆が、サンバを踊りながらエリック王を抱きかかえた。
彼は異様な赤ん坊だった。体重が恐ろしく思い。体重計で計ってみたところ、なんと60キログラムもあった。性毛も見事に生え揃っており、声変わりももう終っているようだった。

「あれれ、勃起しちゃった。」
エリック王の最初の一言が、以上の言葉である。
「ばぶう、ばぶうー。僕、おいしいタマゴボーロが食べたいの。」
「おお、よちよち。そうかいそうかい、タマゴボーロだね。そんなものはないから、代わりにママのおっぱいをあげましょう。ほーらおいちいわよー。」
「そんなくそまずいものは欲しくねえんだよ、このアマ!ばぶうー、タマゴボーロが欲しいんだあー!持って来てくんなきゃ、泣くぞ」「まあこの子ったら、どこでそんな言葉を憶えたの?きっとタマゴボーロの呪いがかかっているのね。おお、マイゴッド、私を助けて…」「タマゴボーロがないなんて、どういうことだ!わざわざ狭い産道を通って生まれて来て、こんな待遇は耐えられない!もういやだ!ばぶう、ぼくちんは怒った。こんな所にはいられない!」

エリック王は、生まれて10分後に農家を飛び出て旅に出た。はじめはタマゴボーロを見つけると言う目的があったのだが、そのうちそんな目的はどうでもよくなった。

その途中、エリックは生涯の友人となるランスロットに出会う。
ランスロットは、レンガの上で裸踊りをしている最中だった。
「おや、君はなぜそんなところで裸踊りをしているのだね?」
「踊りを踊るのが私の使命なのだ。我が名はランスロット。得意な踊りは裸踊りだ。みよ、この腰の動きを!イエイイエイ。裸踊りならではの、このあふれる高揚感!イエイイエイ、原始のリズムを聞け!」
ランスロットは、激しく踊った。
その姿は、吐き気をもよおすものだった。
「やめろ!そんな踊りは見たくない!せめてパンツをはけ!」
その言葉に、ランスロットは感心してうなずいた。
「ほお、ほお、ほおー。なるほど…パンツ。そうだ、パンツだ。どうも恥しいと思ったら、私はパンツをはいていなかったんだ。これは
まいりましたなあ、どうも。いや失敬失敬、いまパンツをはきます。」

ランスロットは裸踊りをやめ、パンツをはいた。そのパンツが何処から現れたかと聞くのは愚問だ。そんなことは知った事ではない。
要はパンツをはいたと言う事が大事なのだ。

「君はいいことを教えてくれた。このランスロット、一生君に仕える事にしよう。名は何と申すか?」
「我が名はエリック・ザ・イディオット。農家の出だが、王である。」
「やはり、高貴な人物であったか。そんな予感はしていた、エリックどの。ところで何処へ行こうと言うのですか、エリックどの」
「それは言えない。だが、大事な用件なのだ。それはそれは大事なのだぞ。」
「それは、裸踊りより大事か?」
「少し大事だ。」
ランスロットの目が輝いた。裸踊りよりも大事なことなどこの世にあったのか?ひょっとして、伝説のランバダ?それともぼくの大好きなドッジボールかな?
ランスロットはわくわくした。
「よし、私も行く。」
「ありがとう、ランスロット。君は来ると思っていたよ。君に「サー」の称号を与えるからありがたく思え。」
「サンキュー、エリック。」

こうしてアホ王のエリックに家来が出来た。
二人は意味もなく冒険の旅に出たのであった。深い森を抜け、平野をぬけ、変な場所に出た。
その変な場所には、変な生物が1匹、ボーッと立っているだけという、実に変な場所だった。その生物は、たまごみたいな格好をしていて、ハマキをくわえていた。

「おまえは何者だ?」エリックが尋ねた。
「私はハンプティダンプティだ。」
「丁度いい。ハンプティ。ぼくちんは腹が減ったのだ、ばぶう。ぼくの食料になるのだ」「いやだね。私はもっと長生きしたいのだ。」「たまごのくせに!タマゴボーロでも無いくせに、なんて口の聞き方だ!ぼくちんは食べる!」

エリック王は剣を抜いた。そして、ハンプティダンプティに向かって切りつけた。

赤い血が飛び散った。ハンプティは、外見はたまごだったが、中身はどうやら人間と一緒だったようだ。
内臓が飛び出し、悪臭が周囲に流れだした。
「なんだ、たまごじゃなかったのか?」
「そうですね、これは人間だったのかもしれません…。」
しかし、エリック王は腹が減っていた。
「いや、よく見ればたまごに見えないこともない。これはたまごだ。食おう食おう。」
ランスロットも腹が減っていた。
「食べましょう。これはたまごですから。」
二人は、ハンプティダンプティを食べた。

すると、呪いにかけられていた妖精の美人OL、大杉純子が突然その場に出現した。
「貴方たちがハンプティダンプティの呪いを解いてくれたのね。ありがとう!」
「何者だ、ばぶうー!!」
「私の名は大杉純子。オフィスレディで、妖精です。趣味はカラオケと競馬。吉田栄作みたいな人がタイプかな。」
「呪いがどうとか言ってたな。」
「そうなのよ。あのたまごは、長生きしたたまごが化け物になったやつなの。私がハムエッグ作ろうとしたら突然現れて、呪いをかけられてしまって、この変な空間に閉じ込められてしまったの。とにかく、ありがとうございます。では、私はこれで。」
大杉純子は、空を飛んで去って行った。

「へええ、そうだったのか。ぼくちんたちはいいことをしたんだな。」
「いいことをすると、気持ちがいいものですね。エリックどの。」
「そうだな。でも、ああ言う妖精をペットショップで売ったら儲らないかな?」
「結構売れるかもしれません。」
「そうか…よし、大杉純子のあとをつけよう。多分妖精の村に向かうだろうから、根こそぎ捕まえてペットショップに…ムヒヒ。」
「…わかりました。大杉純子を尾行しましょう」

森には、エリック王をたたえる水子の声がこだましていた。

エリック・ザ・イディオット。
英国の王である彼の冒険は、まだ始まったばかりだった。





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