#1046/3137 空中分解2
★タイトル (RJM ) 91/ 7/17 21:17 ( 84)
お題「鏡」> スティール
★内容
雨が上がった。深夜。俺はバックミラーを見た。真っ赤なフェア
レディーか。初期型。珍しいな。凄いスピードを出してるな。
俺はスカイラインの91年型に乗っていた。FRベースの4WD
が好きで買った。やっぱりいい。タバコをくわえた。シガーライタ
ーを押した。
ここは高速道路上。ずっと直線が続く。まるでサーキットのよう
な道だ。フェアレディーの主も同じ目的か。タバコに火を点けた。
すげぇ。いったい何キロ出してるんだ。あっというまに抜かれた。
ちょっとムカッと来たが、機嫌が良かったので、ゆっくり走行を続
けた。
俺はタバコの灰を灰皿に落とそうとした。灰は灰皿に落ちず、宙
に舞った。体中に悪寒がはしった。前方何キロかの空気が変わった
ような気が・・・した。大きな音。何かが光った。事故か?
俺は無意識のうちにスピードを上げていた。雨上がりにあんなに
スピード出すからだ、まったく。すすむにつれて、だんだん涼しく
なった。なぜかわからんが、
ほのおが見えた。やっぱりあの赤いフェアレディーだ。あのぶん
じゃ即死だな。次のインターで人に知らせるか、と思いつつ、俺は
ほのおを上げている残骸の横を通り過ぎた。
なにか音がした。車の音か?
バックミラーを見た。あのフェアレディーだ!おかしいな?事故
ったのは別な奴か?それともおんなじ車がたまたま来たか。
凄いスピードだ。やっぱり奴か。しかし前よりも音が大きいよう
な気が、・・・
バックミラーの中で、奴はどんどん大きくなっていった。追越し
車線に入り、横に並んだっと思ったら消えた。あれっおかしいな。
とこにいったんだ。でも、耳をつんざくような爆音が、
横から体当たりしてきた。見えはしないがそういう衝撃だった。
「おおおおおぉぉぉぉぉ!」事故りそうになった。
「なにしやがるだ!ばかもの!殺す気か!」相手が見えないのを忘
れて、そう叫んでいた。
と思ったらまたぶつけてきた。
「馬鹿野郎!買ったばかりの新車がへこむだろうが!」
完璧に頭にきた俺はちょんちょこちょこ車をぶつけてやった。
ぶつかる度にがしゃがしゃという音がした。でも待てよ。もしか
したら、あっちだけぐしゃぐしゃになってないんじゃないだろうな。
しかし、そうだとしたら、くっくっくやしいいいいいいいいいなぁぁぁぁ!
俺はアクセルが潰れるくらい踏んだ。さすがスカイラインGTR!
鋭い加速だ。相手は?サイドミラーに映った!こっちよりもぐしゃ
ぐしゃだ。へへへへへ、勝ったぞ!
でもなんかむなしいな、それに相手は、なんだろう。< ̄0 ̄>
ちょっとこわい気がした。へへへへへ、呪ったりしないでね<^0^>
相手もスピードを上げてきた。ぎゅるるるるるるるるるるるる!
後輪が白煙を上げた。そうだ、こうすれば!バックミラーをずらし
た。あああああぁぁぁぁぁ!映った、ばっちグーに。
きゅいいいいいいん。という音とともに相手の車は追い抜いて行
った。しまったやっぱりブロックすればよかった。
相手の姿が・・・・・・消えた。
音も消えた。何処に?と思ったら、また音がした。前から突っ込
んで来るのか?どんどん近づいて来る。
相手が見えない、一直線の道路、相手が見えない。
くそー、負けるもんかぁぁぁぁぁ!< ̄_ ̄>!
へへへ、へへへへ、へへへへへ。
雨上がりの道路、路面が濡れていた。
見えた!月に照らされたぴかぴかの路面に、真っ赤なフェアレデ
ィーが、
ははははははははははははははははははははははははははははは!
思わず笑っていた。勝ったぞ,思った。ぐんぐん近づいた。
と思った瞬間相手の助手席から飛び出す物があった。
女の上半身だ。こっちの顔面めがけて飛んできた。ソプラノの悲鳴を上げて、
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!」
「ぎょええええええええええええええええええええええええええ!」
俺も負けないくらい悲鳴をあげた。まるでスローモーションだ。
顔面を直撃する白球のように、それはフロントガラスを突き破り、
俺の首に噛みついた。
と思ったら、シガーライターがぽんっと戻った。時間が戻ったのか。
ほのおが見えた。あいつらか、今度はすぐたすけてやらないと、・・・
ほんとにいまのわかいもんはわがままだから。 __
でも、新車壊されてもなんだし、 |@ @|
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<了>  ̄ ̄