#670/3137 空中分解2
★タイトル (GVB ) 90/ 9/30 23:49 ( 32)
大型感動小説 「残像が焼きついて離れない」 ゐんば
★内容
テレビのニュースで金丸元副総理が記者会見に答えるのを松本喜三郎は大あく
びをしながら聞き、リモコンのスイッチを切ってさて寝ようと布団に入り、今日
は疲れたからぐっすり眠れるなと思ったのだが、瞼の裏にさっき切ったテレビに
最後に映っていた金丸信の残像が焼きついて離れない。
結局その晩はろくすっぽ眠れず、あーあ昨日はひどい夜だったとな、今日はビ
ールでも飲んでとっとと寝ちまおうと、テレビのコマーシャルを横目にスイッチ
を切り、寝床に入ってさあ寝るぞと思ったら、瞼の裏にスーツを来て踊る松平健
の残像が焼きついて離れない。
これではだめだ、途中でスイッチを切ってはいかんと、今度はずっとNHKを
見て、これで総合テレビの放送を終わらせていただきますとアナウンスが流れる
まで見て、ああこれで安心して眠れるとテレビのスイッチを切って、寝床に入っ
てさあ寝るぞと思ったら、瞼の裏に砂の嵐の残像が焼きついて離れない。
これでは返ってうっとうしい、あんまりインパクトの強い番組ばかり見てるか
らだと、その日は天気予報を最後にみて、今日は大丈夫だろうとテレビのスイッ
チを切って、寝床に入ってさあ寝るぞと思ったら、瞼の裏にひまわりからみた雲
の写真の残像が焼きついて離れない。
そうだテレビを見るからいかんのだ、俺は現代文明に毒されていると、テレビ
を付けなければスイッチを切ることもないと、その日はテレビをいっさい付けず、
日長一日釣りをして、寝床に入ってさあ寝るぞと思ったら、瞼の裏にひまわりか
らみた雲の写真の残像が焼きついて離れない。
そうかこれはいつスイッチを切るかに関係なく、最後に切った画面が出てくる
のだと気がつき、どうせ目に残るのだったら気色のいいのがいいなと、アダルト
ビデオを借りてきてまさに絶頂に達したときパッとスイッチを切った瞬間画面が
切り替わり、寝床に入ってさあ寝るぞと思ったら、瞼の裏に男優の一物のぼかし
の残像が焼きついて離れない。
こういうグロいのはダメだと、環境ビデオなら大丈夫だと、雄大な海を見なが
ら、スイッチをパッと切って、これなら大丈夫、海の風景なんて出てきてもどう
ってことないもんねと、寝床に入ってさあ寝るぞと思ったら、瞼の裏に真っ黒な
ブラウン管に映った自分の姿の残像が焼きついて離れない。
[完]