#1826/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (JYC ) 89/ 9/15 12:52 ( 41)
赤い屋根・解答編 永山
★内容
−桂三枝氏の解答−
「私」は、考え抜きました。酒の中に毒を入れることが出来たのは誰か?と
いうことを。私を除く4人は皆、酒のコップに手を触れたり、酒を買って来た
りしています。誰にでも、可能性はあった訳ですが、少し考えを進めれば、い
つ、誰に見られるとも分からないのに、酒のコップに毒を入れるのは、不自然
です。となると、犯人は別の手段をとったのか?他に、コップの中に入った物
は・・・?そう、雨漏りの水だ。犯人は、屋根裏に青酸カリを布で包んだ物を
仕掛けておいたのだ。巽の寝る場所は決まっていたのだから、どの辺りに設置
すれば、枕元のコップに滴が入るか、見当がつく。それが出来たのは・・・?
この雀荘の持ち主・牟田綿子しか考えられない。それでは、巽が手に握った竹
の八の真意は?竹の八は立てて見ると、「WM」と読める。牟田綿子のイニシ
ャルである。
−永山の案−
上の答を聞いて私は、おかしい!と思いました。竹の八は、末広がりの扇に
とれるとか、八竹の事だとか、孔雀麻人の「雀麻」を逆から読んで「麻雀」だ
からこいつだとか、そんな事を言っているのでは、ありません。巽は「犯人は
・・・。」と言い残して絶命しました。犯人が誰かと言うことを示そうとした
のでしょう(こんな時に「犯人は・・・誰だ。」なんて言う人はいますまい)。
私がおかしいと思うのは、ここです。どうして、巽は犯人を知り得たのでしょ
う?あの状態で、犯人が誰かなんて、分かる訳ありません。それにも関わらず、
巽は犯人の名を告げようとしています。納得のいく解釈を、一つだけ思い付き
ました。これは、巽の芝居だった。彼は何等かの理由で、余命幾ばくもないこ
とを知った。彼は焦った。かの4人の悪事を記事にしている時間はない。そこ
で彼らの目前で自殺をし、死ぬ間際に自分が一番憎んでいた人物の名を犯人と
して、言い残す。そういう計画だったのだが、毒の効き目が思いがけなく強く、
声を発することが出来なかった。そのため、肝心の名前は告げられなかったの
だ・・・。
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どうでしょう?桂三枝氏の解答は明かにおかしいと、思われるのではないで
しょうか?毒殺トリックも、不完全なものと言えますし・・・。と言って、私
の案が完全かと言うと、やはり、無理があります。そもそも、三枝氏の原作に
無理があり過ぎる訳ですが、どなたか、もっと良い解決を示してくれませんか?
もしくは、このトリック(毒殺トリック&ダイイングメッセージ)を使って、
全く違ったミステリーを書いては見ませんか?盗作になるのでは?なんて心配
は無用。同じトリックを使っても、その作品の最後まで、読者に気付かれない
ような使い方であればいいのです。
それでは。どうもありがとうございました。
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