AWC 『闇の迷宮』 −06−            Fon.


        
#1525/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DGJ     )  89/ 4/ 7   8:19  (100)
『闇の迷宮』 −06−            Fon.
★内容
                             by 尉崎 翻
「えーい、放せーっ ころす、殺す!! 叩き斬るーっ!!」
 ジタバタジタバタと喚きながら剣を握ってるティスタを、リクトが辛うじて羽
合い締めにして押さえこんでいる。
 扉の前にはモンスターの死骸で足の踏み場も無い程である。死臭が充満してお
り臭気で鼻が曲がりそうだ。
「ダグ。あなたねー」
 横目でティスタを見ながらレナがダグと向かい合う。
 見つめられただけで凍傷になっちまうような冷たい視線が感じられる。
「言いたい事は判ってる」
 レナの口が開く前にタグが先手をとった。
「そりゃ犬でも判るわよ」
「まぁ、そりゃそーだ」
「とにかく!」
 レナが指先をダグの目の前でピタッと指す。
「迅速に扉を開けなさい、話が進まないから。それともティスタに叩き斬られた
 い?」
 ダグがブルンブルンと首を横に振る。
「じゃぁ!サッサとやりなさいっ!!」
 ビカッ!と、レナの手から雷が飛び出てダグの顔から10cm程横の壁に直撃
し、壁から焦げる臭いが発せられる。ダグはアタフタとその場から離れ再び扉の
前に座り込む。
 解除作業は九割方判っていた。
 問題は最後の詰めである。
 扉を開ける際にどうしても最後のトラップに引っ掛かってしまうのである。
「難しいトラップなんだよなー、この最後に扉を引き開けると、どーしても作動
 させちまう。現状の道具じゃどーしよーもない...」
 今更ながらダグは道具の少なさに後悔していた。
 迷宮内ではあまり重い装備は致命的になる場合が少なくない。そのためにかさ
ばる道具は持って来ていなかった。
 無理に試みれば同じ事の繰り返しである。
 が、試みねばまったく進展はしない。
「問題はどーやって引き開けるかなんだよなー」
「引き開けられんのなら押してみたらどーだ」
 リクトが欠伸をしながらいいかげんな言葉を投げかける。
「...開いた」
                  ☆
 その部屋は闇に埋もれていた。
 窓らしきものは一切なくただ、部屋の中央をしめる泉からボワッとした鈍い光
が発せられているだけである。
 その泉の傍らに人らしき者が立っている。身体全体が黒いマントに覆われてい
るために男であるか女であるかもまるで判らない。部屋には泉以外にはこれといっ
た物はなく廻りの壁や、床、天井は全て岩であり、入口のような所は見渡した所
無いようである。
 マントで覆われた中より、ひどくしわがれた声が絞り出されるかのように聞こ
え始めた。
「...おろかな ...我が迷宮を侵しただけでなくあの扉を開けはなつとは
 .... その罪の十分に思いしるがよいわ...」
 泉の光量が一瞬増えたかと思うと人影は既に消え去っていた。
                  ☆
「要するになにか!? 貴様はいままで、押し開けの扉を引いて開けていたから
 トラップに引っ掛かっていたわけだな!」
「まー、単純に言えばそーなるが...」
「どー複雑に言えというのだ?
 ...やはり 殺しておくべきだったかもしれん」
 リクトが苦虫をかみ潰した顔をしながら額を手で押さえた。
 押し開けの扉は半分程開いた状態で止まっている。
「いまからでも遅くないっ!!」
 シュッ!
 と、空気を斬り裂く音と共にティスタが剣をダグの正面へ振り降ろされる。
 紙一重。
 ダグの前髪が数cm斬り落とされパラパラと地面に落ちる。
 その事実を認めるやいなやダグは一瞬の内に離れて見ていたレナの後ろへ廻り
込んだ。
 屈んだ姿勢でレナを盾にした形、手はレナの腰あたりにあって頭だけチョコン
と出しティスタの方をソーッと見ている。
「こらぁ! 汚いぞ、隠れないで堂々と姿を出せーっ!」
 ティスタが罵声をののしる。
「殺されよーとしとるのに、のこのこ出る人間がおるかっ!」
「いーかげんにしなさいっ!!」
 レナがついに怒鳴りちらした。
「だいたいねぇ! あなたたちはいっつも
        ...
     (適当にセリフを入れましょう)
                ...
                     でしょっ!」
 レナのもうれつなる怒りの言葉が迷宮内に響き続けた。
「とにかく...進みましょう。それが最良の選択よ」
 レナが半ば強引ともいえる命令口調で口を閉じた。
 ティスタは仕方がないといった動作で剣をしまう。
「判った...レナ。だが、一つだけ質問していいか?」
「なによ?」
 ダグが真剣な眼差しでゆっくりと口を開けた。
「おまえ...最近.....」
 見ればダグの両手は先程からレナの腹部当たりに位置していた。
「太とったんじゃないか?」
                 ☆
 脳天への一撃で失神したダグはリクトが引きずるはめになった。
「ったく本当に冗談で生きてるようなやつだな...」
 リクトがぼやく。
「扉をあけるわ。十分に注意してよ」
 レナが半開きになっていた扉を注意して押していく。
 ギーッと、きしむような音をたてながら扉は開いていった。
 扉の向こうは暗くてよく判らなかったが開くにつれて徐々に様子が見えて来た。
「....!」
 扉の向こう側を見た三人は、一瞬おのれの目を疑い、そして絶句した!
「いーかげんにしろーっ!!」
 ティスタが画面ごしに作者へ怒鳴りつけた。
 扉の中には.....もう一つ扉があった。
                       (RNS.#1)<つづく>




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