#1514/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DRH ) 89/ 4/ 2 12:11 ( 32)
お題>「傘」
★内容
空からひとしずくの水滴が落ちて来て、俺の顔にあたった。
雨?、そうおもうのが早いか、水滴はだんだんと大粒になってきた。
傘を....挿す気にもなれない。
どんよりとした気分で空を見上げた。
どうして喧嘩なんかしてしまったんだろう?
彼女に対して、憎まれ口を叩く。
彼女に対して、興味無いふりをする。
しかし、本当は......。
でも、結局昨日、ささいなことで、彼女と喧嘩してしまった。
本当は今日、デートの筈だった。
どうせ彼女はこない。
しかし、俺はここにいる....ははっ、笑い者だな。
雨にぬれた髪の毛をかき上げ、広場の方をみていると、ふいに見たことがある淡い
青....エメラルドブルーの傘が目に入った。
まさか?
おれは、頭より身体の方が先に動いていた。
その、エメラルドブルーの傘のとこまで走っていくと、肩をつかみ、顔を見た。
「優希!」
優希は唇をかんで、半分泣きそうな顔で立っていた。
「ごめん....おれが悪かった、ゆるしてくれ....」
そして....エメラルドブルーの傘は、彼女の手をはなれ、道端へと放り出された。
そして....彼女は俺の腕の中で泣いていた。
もう、話さない......絶対に!
いつのまにか、雨はやんでいた。
雲の隙間から差し込んで来る光に小さな水溜りたちが、淡い水色に輝いていた。
おれは、彼女の傘を拾い、たたむと、彼女に渡してやった。
そして、腕をとりあって、人混みの中に紛れていった。
〜Fin〜
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