AWC 「魔法のネットワーカーアクセス那奈[第3話−1]」 Tink


        
#1512/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DRH     )  89/ 4/ 2   1:35  ( 74)
「魔法のネットワーカーアクセス那奈[第3話−1]」 Tink
★内容

「あー、もおやだっ、全然わかんない!」
 あたしは溜め込んだ冬休みの宿題をほっぽり出すと机に突っ伏した。
「どうして冬休みなのに宿題なんかあるのよぉ」
 これは、担任が持ち上がりであるという所からきているのよね。
「でもさ、宿題って言ってもマイペースにやってりゃ、なんとも無いはずだぜ」
 プチはあたしの肩越しにほとんど真っ白のプリントを覗いてから言った。
「そんなこといっても‥‥、せっかくの休みに遊ばなきゃ、損じゃない?」
「損も何も、遊ぶのなら宿題終わらせてからにしたほうがよかったのよ」
 ポポまでが、あたしのことを非難する‥‥、どーせ。
「そんなこと頭ではわかってるのっ!」
 そうよ、先に宿題やったほうが楽だということくらい、あたしにだって、わかるわ
よ、大体遊びたい年頃なのよ、勉強なんか....嫌いだもん!
「とにかく今日中に宿題をおわらさなければ、明日から那奈のお仕事が入るのよ!」
 そんなことくらいわかってるってば、だからこうして宿題、やってるんじゃない。
「あーもういい!」
「いいって、宿題を投げ出すのか?、先生に怒られても知らないぜ」
 プチがあきれたような声で言った。
「違うもん、智広に手伝ってもらうんだもん!」
「それじゃあ宿題の意味が無いってば」
「いいのっ!」
 あたしは椅子から勢いよく立ち上がると小さなポーチの中に冬休みの残っている宿
題の算数のプリントと筆記用具を入れると部屋から出て行った。

          ☆

「だから、これがこうなるんだってば」
 智広は算数のプリントを前に説明してくれているんだけど、全然わかんないのよね。
「えー、どうしてそうなるの?」
 だって、応用問題って、苦手だもん。
「お前本当に計算できるのか?、も、いい、あとはやってやるよ」
「わぁ、サンキュ!、恩にきるよ!」
「これくらいなら、まあ、簡単だからな、大体宿題なんか何の役にも立たないしな」
「ちょっとアクセスして、いい?」
「かってにやってていいよ」
「ありがと!」
 あたしは早速パソコンラックに置いているディスプレイと、モデム、本体の順に電
源を入れ、通信用のSOFTを立ち上がらせた。(こうやって、言うと、何か難しく
聞こえるすもしれないけど、本当はただ、電源入れてからディスクをディスクドライ
ブに入れただけなんだよ。)
 そして、プランニングネットに入ると、とりあえず、那奈のIDでアクセスした。
 智広が気がつかないか、ひやひやしながらMAILボックスを覗くと、SYSOP
....つまり岡田さんからMAILが届いていた。
 何かな?、と思って覗いてみると内容は大体、近々花見のミーティングを開く云々
と、いうことが書いていた。
 でも智広が、宿題、終わりかけてるみたいだから、詳しく読むひまも無く、慌てて
切って、由美のIDでアクセスしなおしたんだ。
「ほら、出来たよ」
 智広がプリントをたたんであたしに渡してくれた。
「わぁ、ありがとっ!」
「プランニングネットだけど、何か変わったこと、あった?」
「えっとねっ......っとっと....」
「ん?、どした?」
「何でもない....!」
 あー、ヤバかった、もうすこしでお花見のこと、言っちゃうとこだった....大体お
知らせにも出てないのに、あたしが花見のことなんか、知ってる筈、ないんだよね、
うん。
「んじゃ、かえるね」
 あたしは、あせりながらも平常を装って言った。
「しっかし......本当に宿題やりにきたんだなぁ、うーん」
「まあ、そゆことね」
 そうしてあたしは宿題のプリントと筆記用具をポーチに入れると、智広の家を後に
した。
 そして、ローラースケートに乗って、家への道を走っていると、公園のちらほらと
咲いている桜が目に入った。
「わぁ、桜だぁ!」
 そっか、もう4月だもんね、桜ぐらい、咲いてるわよね。
「それにしても、春だなぁ」
 本当に、ぽかぽかして、こんな日は、草原でお昼寝でもしたくなるのよね。
 そういえば、花見かぁ、うん、花見はいいな、でも花見なんかするの、はじめてな
のよね、大体。
 うんっ、本当に楽しみっ!

                                 (つづく)




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