AWC ☆Mergeing!Mergeing!!☆《9》L97


        
#1468/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (FEC     )  89/ 3/ 7   7:46  ( 99)
☆Mergeing!Mergeing!!☆《9》L97
★内容
                                      9
  放課になった。4時間目のとき、藤田と一緒だったので隠れようとしたのだが、何故
か今日に限って追ってこようとはしない。もう、諦めたのか?だとしたら絶縁関係に陥
ったことになる。彼女としては絶対にさけたかった状態に。
  あ〜あ、どうしてこう、私って普通通りにいきられないのかしら。
  “そりゃしょうがない、変わっているからさ!”
  「え?!」彼女は辺りを見回した。彼女に声をかけれるほど近距離に人はいない。そ
ればかりか、彼女は声に出してはいないのだ。だとしたら…………!!
  “橋本くん??”
“嬉しいかい?”
  何故だか分からぬがぽろぽろっと涙が転がり出る。
“嬉しくなんかないわよ!”しかし、彼女は嬉しさのあまり破顔しそうになっていた。
“絶対に嬉しくなんかない!絶対に!!”
“そう強調しなさんなって。こっちは病み上がりの身なんだ。ちっとは嘘でもいいから
優しい言葉言ってくれよ。”
“じゃあ、やっぱり………”
“そうなんだ、でも大丈夫。ところでそっちはなんともなかった?”
“貴方がウッといって消えたとき、貴方の存在が小さく感じられた………”
“やっぱりね。”
“ねえ、どういうことなの?私には関係あることなの?”
“あまり詳しくは言えない。僕は医者じゃないし、この世にはこんなケースを診断出来
る医者は存在しないからね。大体医者っていうのは初めての病気のタイプが発見されて
から直し方を研究するから、大抵No.1には治療は間に合わないものなんだ。”
“ねえ、何が起こっているのよ!”
“だから言ったろ、言えないって”彼は言い切ってから付け足した。“大家さんには迷
惑のかからないことは請け合いますよ。”

  「先輩、森下と古屋は明日こことここのポイントでデータとります。で、私はここで
先輩はここでお願いします。」
  羅清は後輩と2人で食堂にいた。この食堂は外側に面しているところが巨大なガラス
張りになっていてなかなかしゃれている。ここからは正門方向の広場が大変よく窺えた。彼らは喫茶店ぶーむを起点としたクラブ活動を展開しているが、たまに食堂を打ち合わ
せの場に利用するときもあった。彼らのクラブは現在小規模で最高学年はなんと2年で、羅清仲右衛門が第14代調査隊長に就任していた。(調査隊長は部長に相当する。)
  「おーけー。」奇人は飯を頬張った。「機材はわたっているのか?」
「いえ、これから受け渡します。まぁ、間に合うでしょう。明日の10時からなんです
から。」
  彼は肯いた。「金の方はあとで請求してくれ。あ、レシートじゃ受けつけんよ。ちゃ
んと領収書を書いてもらえ。一番いいのは個人負担なんだけれどもね。」
「そんな奇特な奴はいませんよ。」後輩は肩をすくめた。
「明日は絶対に実行するからな、何が何でも。こんなだは雨がふったせいで、御前達の
情に流されちまって………。データが収集出来なければ、論理は構築出来ない。論理が
構築出来なければ機関誌を発行出来ない。機関誌が発行出来なければ重要な収入源がた
たれ、やがてはクラブ崩壊り元凶になりうる。どうだ、論理的だろう。」
「おおせの通り!」
  打ち合わせが一通り終わってホッとしたのか、何気なく彼は外に視線を移した。する
とそこには今朝自分を鬼のように恐れて逃げ回っていた女がゆっくりと正門方向ら向か
っている姿があった。そして正門には………………杉丘修が彼女を待ち受けていた。
  「いかん!!」
彼は大声を上げ立ち上がった。そしてあたふたと、出口へと走った!

  “あんたがいないうちにいろんなことが起こったのよ。もう、訳がわかんないくらい
よ。”
“こじれにこじれている感じはするね。”
“涼子とは絶縁関係になるし、奇人は襲ってくるし………”
“杉丘はどうなった?”
“さぁ〜。ひょっとして気になるの?”
“別に”
“あ〜、自分のいなかったときになんかあったんじゃないかって、不安なんでしょ〜”
“なんで俺が不安がらにゃならんのだ!”
  「やあ!」
  突然、明朗な声が彼女につきささった。ふと、気がついて視線を馳せると、目の前に
話題の人物がそこにいた。いささか、びっくりする。その彼女の表情をみとって、彼は
笑った。
  「中村さんは本当に可愛いいねえ。驚いた表情も生きているよ。」
「は、はぁ………」
「実は待ってたんだ。」彼は彼女の横に移動した。「話、してもいい?」
“してんじゃねぇかよ、既に。”
“どうしよう?なんとなく、なまめかしい方向に発展する感じしない?”
“露骨に出てるだろ!”
  そこへ、おーいという声が響いた。振り向くと食堂の方角から走ってくる人間がいた
その後ろにはもうひとりが同じように走っていたが、これはまだ遠い。入ってくる人間
は彼女の名を叫びながら寄ってくる。彼女は不安だった。ふと、杉丘の顔をみるとそこ
には憎悪に近い表情があった。注がれた視線は奇人にのみ集中して、彼女がみている事
に気がついていない。
  「こんにちは、中村さん」彼は息を弾ませている。「今朝は失礼しました。」
「………どうも」中村は軽く会釈した。こんな混迷した中でほうにどういうふうに態度
をとったらよいのであろうか。
「今、俺がこの人と話しているんだ。」全く失礼な奴だ、といいたげに杉丘は言った。
  しかし彼は無視をした。彼は完全に彼女の方に向いたままだった。彼の言葉に徹底し
て受けないことによって、奇人は彼に挑戦していたのだ。
  「中村さん、貴方に重要な話があります。」
“きたぞっ!”
“え?”
“分かりきっているじゃねぇか。こいつはあんたに惚れてんだ。その重要な話と言った
らただひとつ!”
“えっ………えぇっ?…………ええええええええ!!”
  杉丘の握りしめられた手はふるふると震えていた。この野郎、この前のときといい、
何を考えているんだ。大体、こいつのような奇人が、普通の女に受けるとわけがないで
はないか!それともやけっぱちなのか………場合によっては強硬な手段に出ざるを……
  「はい。」
「実はですね、貴方の恋愛対象者のことなのですが………」
“きたきた!”
“どぉしよう!!”
  奇人はにこやかに言い放った。
「橋本智樹くんのことなんですけれどもね」


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