AWC K&D>天の上の懲りない面々          m.m.


        
#1191/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (EAH     )  88/10/15  23:35  ( 48)
K&D>天の上の懲りない面々          m.m.
★内容
 「捨てる神あれば、拾う神ありか。いやんなっちゃうよ、まったく・・・・。」
ぶつぶつ言いながらゴミ拾いをしているのは、イエスキリストだった。
背中に大きなゴミかごを背負っている。

ここ、天上界は、宗派にかぎらず最近信者の数がめっきり減っているあおりを
受け、土地がどんどん狭くなってきていた。
狭いところに、世界中の神さまたちがひしめきあっている。
自然、争いが絶えず、モラルも低下していた。
キリストは他の神さまたちが所かまわず投げ捨てるゴミを拾っているのだった。
キリストの両頬は、赤く腫れあがっている。
あるとき、誰かが冗談でキリストの頬をひっぱたいたら、キリストがもう片方
の頬もさしだして「こっちもこっちも。」と言ったので、それいらいみんなは
面白がってキリストの頬をたたくようになった。
彼は、いじめられっ子だったのだ。
今日も、ゴミ拾いをいいつけられて、いやいや働いていた。

ゾロアスター教(拝火教)の神、アフラ・マズダがやってきた。
 「おいキリストぉ、そのゴミわしに燃させてくれんかのお?」
 「え? は、はい・・・・。」
アフラ・マズダは、特に意地悪な神だった。へんにさからうとまずい。
 「わし、火ぃつけるのが大好きなんじゃ。夜中の街なんかでゴミの山を見つ
  けたときのうれしいこと。ひっひっひっ!」
アフラ・マズダは、手でマッチを擦るしぐさをしながら、気味悪く笑った。
あぶない神さまだ。

となりでは、イザナギの神とイザナミの神が夫婦げんかをしていた。
 「あなたっ! あなたが無関心だから、あの子はグレてしまったのよっ。」
 「うるせいっ。おれはあんなドラ息子産ませたおぼえはねえや。誰の子かわ
  かったもんじゃねえよ!」
 「キ〜ッ、言ったわね!!」
言うまでもなく、ドラ息子とは、日本列島のことである。

そのまたとなりでは、キューピットがひまつぶしに打った矢が弥勒菩薩と原始
宗教の神の胸に命中し、恋が芽生えていた。
弥勒菩薩はしなをつくり、原始宗教の神にウインクしながらこう言った。
 「うっふん。あたしって、ミロク的?」
原始宗教の神は、槍を地面にはげしく打ち付けながらこう言った。
 「ゲホハ、モロ。ヘモヘモヘレハ、タプチプ!」
なんて言っているのか、誰にもわからなかった。


よーするに、天上界はしっちゃかめっちゃかなのだ。
だが、ひとりだけその狂乱に加わらない神さまがいた。仏陀だった。
仏陀は、ほかのやつとは関わり合いを持ちたくないという顔でこうつぶやいた。
 「知らぬがほとけ、知らぬがほとけ・・・・・ 。」


                           by  m.m.




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