#1031/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (CXJ ) 88/ 5/29 0:23 ( 87)
真リレーB>第8回 『明らかにされる謎』 光子
★内容
「博士、急に出てくるなんて、びっくりするじゃないですか」
「いやあ、すまんすまん、前回のクエストがギャグばっかり書いて行数をかせいぎおっ
たんであまり進行しとらんからな、これ以上はひっこんでられんかったんじゃよ・・ふ
・・ふあぁっっくしよーーん!!ああ、久々にやってすっきりしたわい」
「でも博士、会えてよかった」教授が言った。「あなたがいれば鬼に金棒、ポパイにほ
うれんそうですからね」
「それはそうと、ゴホンゴホン・・いったい何が起こったのか詳しく聞かせてくれんか
ね、ウオッホン・・」
「博士・・・それを今話すことは・・」
「なぜだな、露木くん。さては考えるのが邪魔くさくて、後の者に回そうというのじゃ
ないだろうね?」
「うっ・・・博士、と、とんでもない。たしかに一時はそうしようかと思ったこともあ
りました。しかし今回の作者の光士という男はなかなか見所のある奴です。しっかり無
理のない展開を考えてあります」
「ほう、そりゃあ感心じゃな・・ゲホゲホ・・しかしあんまり話を大きくすると、また
AWCOPからお叱りを受けるぞ・・・ふあっくしょーん!」
「大丈夫です、博士。では仕方がない、オズマ計画の全貌をお話ししましょう」教授は
大きくひと呼吸した。「実は、私の研究所では政府の依頼で、極秘裏にある物を開発し
ていたのです」
「ある物?ふ・・・ふぁっくしょーん!」
「物質消滅爆弾です。中性子爆弾が無機物に被害を与えず、有機体にだけ影響するのに
対して、これは人間には被害を与えず、任意の性質を持つ無機物だけを消してしまうの
です。実際、この爆弾の発明は画期的でした。何しろ、これほどたしかな防衛力はあり
ませんから。人間を傷つけずに武器や兵器など、好きなものを消してしまえるのですか
ら・・・計画では、この爆弾を各地に配置することにより、防衛費の7割が削減できる
ことになっていたのです。ところがです・・・」
「ひと月前、そのプログラムが盗まれたの」峰川真紀が口をはさんだ。
「露木くんがわしを訪ねてきたときじゃな?」
「そうです。あのときは詳しいことを言えませんでしたが、実はこういう事情があった
もので・・・そもそもこの爆弾は博士の理論を応用しているので、博士なら悪用を防げ
るのではないかと・・・」
「さあな、それはどうじゃろうな・・・ゴホンゴホン・・で、誰が盗んだのか分かって
おるのかね?はっくしょ〜ん!」
「ほぼ見当はついています。この商事会社と繋がりの深い人物で、八丈島の遷都推進委
員会の一人、佐々木洋介という男です」
「確かかね?」
「ええ、八丈島に遷都推進委員会は彼しかいませんから」
「そいつはいったい何を考えておるんじゃろうな・・・」
「全く・・・以前から変な脅迫状が届いてましたので、必死に捜査をしていたのですが
・・・とうとうこんな結果に・・・今、23区内で残っているのは、この建物だけです
。この建物は特殊構造のため、あの爆弾に対する免疫があるので大丈夫なのですが・・
・・・・彼はどうやら鉄筋コンクリート狙いを定めているらしいのです」露木教授は深
刻な表情で話した。「そこで博士と啓介に頼みがあるんです」
「何じゃね?」博士が言った。
「彼の居所はまだはっきりとは掴めていないのですが、八丈島のどこかにいることは確
かです。それで博士と啓介、それに峰川くんとでこっそり八丈島へ行って、装置を破壊
してきてほしいんです」
「俺は、いいよ」啓介は言った。
「彼は、もし島であやしい動きを見掛けたら次々と各地に爆弾を投下すると言っていま
す。われわれもうっかりとは近付けない状況なので、もはや3人が頼みの綱なのです」
「よし、わかった・・ゴホゴホ・・そいつを見つけるのはともかく、ブログラムの組み
換えはわしじゃなきゃ無理じゃろ。ふぁっくしょーーん!」
「プログラムの組み換え?」
「ちょうど逆の作用をさせる爆弾に作り変えるのじゃ、つまり物質復活爆弾じゃよ」
「さすが博士、そんなことが出来るんですか?」
「なに、わしに不可能はないわい・・・ふぁっくしょーん!」
「そうと決まったら博士、急いで下さい。さっきの脅迫電話で奴は今後も、八丈島に遷
都が決まるまで都市を破壊し続けると言ってましたから」
「おう、それはいかんのう。ではすぐに出発じゃ」
「啓介、がんばるんだぞ。峰川くんもな」
「うん」
「ええ」
「はっくしょーん!」
3人は顔を見合わせ、うなずいた。
「またこれに乗るんですか?」啓介が言った。
「そうじゃよ、いいから乗った乗った。ふぁっくしょーん!」
神田川博士が乗るように言ったのは、啓介がさっきも乗せられた軽トラックだった。
「君はすまんが・・」博士がさっきの大男に言った。「後ろの荷台じゃ」
男は素直に従った。大男が乗ると、それだけで車が傾いた。
「さっ、峰川くんと露木くん、狭いが少しの間じゃ、我慢してくれ。ごほんごほん」
その赤い軽トラに3人が乗りこんだ。
「でも博士・・・こんなので空港まで行くのは大変ですよ」啓介が言った。
「空港?」
「えっ?まさかフェリーで行くわけじゃないでしょ?」
「ばかもん。ゴホゴホ・・八丈島へはこれで行くんじゃ」
啓介と峰川真紀は顔を見合わせた。
「ちょっと待って下さいよ。八丈島がどこにあるのか分かってるんですか??」
「わかっとるわい。うるさいやつじゃ。ふあっくしょーーん!!」
「だって道が・・・・」
「道?」神田川博士はおもむろにゴーグルをおろした。「そんなもん必要ないね」
軽トラはふわりと浮き上がり、タイヤが水平に収納されたかと思うと、爆音とともに
飛んでいった。
繙繙繙繙縺@TO BE CONTINUED繙繙繙繙