#3457/3593 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/04/18 19:50 ( 74)
AIの出て来る物語をAIなしに考える 永山
★内容
カクヨムで催されている公式自主企画に「人工知能×青春小説」というのがあって、
分量は二万字から六万字だったかな。で、書いてみようかと思って捻り出した素案が、
次のような感じのやつ。長いです。
・冒頭、若い男女二人がネットを通じて、相談しながらミステリを創作していく様を描
いたシーン。
・主人公は男Aと女Bで、出会いは小学校時代に遡る。図書の授業でともにミステリ好
きだと知り、お喋りするようになる。
・ほどなくして、Bはミステリを書く方もやっていると分かる。Aもつられるようにし
て書こうとするが、すぐに挫折。Bにその話をすると、「じゃあ一緒に書かない?」と
誘われた。少し迷ったが、周りのみんなには内緒で共作をスタート。
・最初はうまく行かなかったけれども、Aがトリックなどを考え、二人でブラッシュア
ップし、最終的にBが文章にするのがベストだと認識してからは徐々に成長。中学に入
って以降も続けた結果、短編を書き上げ、中学生向けのコンテストで佳作入選したり、
公募でもちらほら一次通過するようになったりと成果を上げる。
・高校は一緒になれそうにないこともあり、中学卒業までに長編を書き上げ、どこか賞
に投稿するのを目標に掲げる。長編向けのプロット作りにAは苦心。どうにかできあが
った作品は賞規定の下限にわずかに届かない。無理矢理水増しして下限に届かせて応募
するか否かで二人は話し合い、惜しい気持ちはあったものの断念する。
・受験シーズンに突入し、しばらく創作から離れていたAとBだったが、先にBが女子
校への推薦入試に合格する。Aは勉強の合間の骨休めとお祝いを兼ねて、Bを家に訪ね
る。そこでBが見せてきたのは、下限に届くように書き足された作品だった。無理矢理
水増ししたのではなく、Aのアイディアを生成AIに読み込ませて、膨らませたものを
出力させ、それを元に書いたという。もちろんBは賞に出したがっている。
・膨らませた箇所に目を通したAは、出来映えを内心認めつつも、面白くない。「一旦
出さないと決めたんだし、生成AIを使っていいかどうか分からないし」と何だかんだ
理屈をこねて、応募に反対した。
・対するBはAの意向に強くは反対しないものの、未練がある様子。それを感じ取った
Aは「だったら一からAIと作ればいいだろ!」と口走ってしまう。そのままB宅を出
たAはあとになって、「生成AIがアイディアを出すようになったら自分は必要なくな
る。それを認めたくなくてあんな言葉を吐いてしまった」「Bが先に進学を決めて、自
分はまだという状況が心に余裕をなくさせた」「そして何よりも、初めての長編は自分
とBの二人だけの力で作り上げたかったんだ」と遅まきながら自覚。後悔するも謝るタ
イミングが掴めず、そのまま受験モードにならざるを得なくなる。
・仲直りできないまま中学卒業。疎遠になり、高校ではAは一人で書き始める。当初は
硬い作文だったのが、一年掛けて慣れてきて小説らしくなった。そんな二年生の九月、
思いも寄らない話を耳にする。外国のホームステイのメンバーに選ばれたBは滞在先で
事故に巻き込まれ、行方不明になっているという。B宅に駆け付けると、家族はすでに
半分あきらめている様子。何とも言えぬ雰囲気の中、Aが共作パートナーだったと知っ
ているBの母親から、創作関連のメモなどを見せられる。それはテキストデータにとど
まらず、執筆に使っていたパソコンも含まれていた。AはBが生成AIにAの名を付け
て“育て”、共作のパートナーにしていたのだ。
・Bの安否が不明のまま、月日は過ぎる。その間、Aは創作の助けに生成AIを使い出
した。Bのニックネームを付け、二人で議論してブラッシュアップしていく過程を思い
起こしながら、彼なりに“育てた”。甲斐あって、Aは大学一年時にミステリの新人賞
を獲得、ちょっとした話題になる。
※ここら辺りで、読者には、「冒頭シーンの二人はAとBだと思っていたけれど、Aと
生成AIのやり取りだったんだな」と解釈してほしい。(^^)
・受賞作が出版され、Aにも直接感想が届く。その中の一つに、気になる文面のものが
あった。Aの他にはBしか知らない内容が記されていたのだ。
・しばらくしてBの生存が知らされる。Bは高二の夏、外国滞在中にとある犯罪組織絡
みの殺人を目撃し、命を脅かされる立場になってしまった。いわゆる証人保護プログラ
ムにより、別人として暮らすことを選ばざるを得なかった。それから五年が経過し、組
織の完全壊滅が確認できたのを機に、プログラムが解除された。
・Bとの再会を果たしたAは、かつてのように共作しようと持ち掛ける。返事はもちろ
んイエス。
※そして冒頭のシーンに戻る。Aと生成AIのやり取りではなく、正真正銘、AとBの
会話だったと分かる。
この梗概で書き出そうと踏み切れないでいます。いくつか理由があって。
1.「人工知能×青春小説」というテーマにしては、AIが出て来るのが遅くないか。
2.小説創作に生成AIを用いることについて積極的な主人公達(特にB)を、肯定的
に受け入れる読者の割合はどれくらいいるか読めない。
3.終盤の証人保護プログラムのくだりが絵空事感満載、かつ、今や割と陳腐。
4.届いた感想でAが気付くというのもいまいち芸がない。だいたいBは何で直にAに
知らせないのだと思わないでもなし。できることなら、「Aが生成AIを使っている
と、ある出力内容がBの個人情報もしくはAとBしか知らない事柄だった、もしかして
Bはどこかで生きていて、記憶喪失になりながらも断片的に覚えている事共をネット上
に公開してきた。その内容を、生成AIが学習の過程で拾ってきて、出力したのではな
いか」てな風な流れに持って行きたいのですが……これは現実味があるのかしらん? ^
^;
ではでは。