#3425/3602 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/03/23 09:07 ( 25)
神様だと思っていたら人だったトリック 永山
★内容
『ある閉ざされた雪の山荘で』>
※原作小説についてネタバレ注意です。
※この作品の映像化についてやや詳しく論じるのは二度目になるため、前と重複する箇
所があります。
映画「ある閉ざされた雪の山荘で」はWOWOWでやっていたのを録画したものの、
評判が芳しくないのもあって、未視聴でいます。
東野圭吾による原作小説は、あまりないトリックが用いられており、一読して感心し
た憶えがあります。が、あれをそのまま映像化した場合、「は? 何これ?」になりか
ねないのは、何となくですが容易に想像が付きます(実際に、そのまんまの形で映像化が
なされているかどうかは知りません)。ある意味、本作こそ映像化困難作品の筆頭に置
いていいかもしれない。
小説、特にミステリでは「この作品のこの場面は誰の視点で描かれているのか」につ
いて、読者は意識しながら読み進めるのが必須になっていると思います。一方、映画等
の映像作品を観るとき、視聴者は「この作品のこの場面は誰の視点で描かれているの
か」なんて、あんまり意識しないでいることが多いような気がします。このちょっとし
た違いが、本作を映像化するには工夫が必要になってくることにつながるのだと。
ちなみに、小説と映像それぞれでの視点に対する意識の差を利して、騙しに用いた短
編が少なくとも一つ、綾辻行人作品にあります。多分、まず映像化がなされ、その後小
説化されたもの。誰もが思い付きそうなネタでもあるため、見抜き易いと思いますけ
ど、まあ早い者勝ちですね。とは言え、ホラー系あたりに先行作品がありそうな気もし
ます。
ではでは。