#2693/3703 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 23/06/06 17:42 ( 30)
小さな物を大きく見せる 永山
★内容
TBS系で放送のドラマ「ラストマン」第七回を録画視聴。ネタバレ注意です。
事件の構造としては全然大したことなくて、よくあるトリック。ミステリに少し慣れ
親しんだ人なら、最初に思い付くであろう構図が、そのまま答だった。ストレートに過
ぎるので、裏があるのではないかと勘ぐってしまったほど。
その勘ぐりを“後押し”したのが、皆実の発言。「愛理紗さんは無実です」と繰り返
し言うものだから、とんでもないトリックが用意されているのかと期待したじゃない
か。でも、蓋を開けてみると、愛理紗は殺人にこそ関わっていないが、死体遺棄や男の
逃亡を手伝っており、どう考えても無実ではない。これだけ積極的に関わっていたのな
ら、殺人(過失致死、傷害致死、過剰防衛かもしれないが)の共犯だって成立する可能性
があるのでは。
そもそも、皆実が話した推理の大半は根拠に乏しく、想像の域を出ていない。他にも
色々な組み合わせが考えられるのに、その中から愛理紗の罪が一番軽くなるようなパ
ターンを選択したようにすら思える。愛理紗に対する根拠なき手心は、何とも言えず心
地悪い。“一目惚れ”故なのか。
今回のエピソードのテーマであろう、「愛(人を愛するということ)」を明瞭に押し
出すために、敢えてこんな筋書きにしたのかもしれないけど、やはりこれは無理筋だと
言わなければいけない。
ただ、その点を除けば、今回はテーマの扱いがうまく、また、色んな登場人物に“愛
”をちりばめた小エピソードの連打も面白い。返す返すも、どうして皆実に「亜梨沙さ
んは無実です」と繰り返させたのか、他の表現を取れなかったのかと残念に思う。
ひょっとしたら、脚本を書いた人は本気で亜梨沙の行為が無実だと思っているのか。
事件解決後、逮捕された男に愛理紗が面会に来ていたけれども、愛理紗が早々に自由の
身になるなんてあり得ない。なのに平気で描いているということは……?
あと、愛理紗のやった偽装工作ですけど、大勢を関わらせすぎ。何人もの男を色仕掛
けで協力させておいて、協力者達に動機を知られたら、ほぼ確実に裏切る者が出てくる
んじゃないの。
さらに、このまま出所してきても、ヤクザから狙われるだろうから、ずっと怯えて暮
らさなくちゃいけないのでは?
ではでは。