AWC いかにも柳葉敏郎が出ていそうな(^^;   永山


        
#2586/3697 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  23/02/20  17:33  ( 47)
いかにも柳葉敏郎が出ていそうな(^^;   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「ギバーテイカー」全五回を録画視聴。ネタバレ注意でお願いし
ます。
 原作は漫画『ライフ2 ギバーテイカー』(すえのぶけいこ 講談社)、未読です。
 教師の倉澤樹は、隣に越してきた一家の長男で小学六年生の貴志ルオトに、十歳の
娘・穂乃花を殺害された。穂乃花とルオトはともにピアノを趣味とすることもあって仲
がよく、当日も地元の風鈴祭に一緒に出掛けていた。一体、何故? 理由が分からぬま
ま、ルオトが少年院に入り、事件は終結。少年法に感じた理不尽さ等から、樹は教師を
辞め、刑事になる。その一方で夫とは考え方の相違から離婚し、独り暮らしをしてい
た。
 十二年後、樹は娘の命日を前に、ルオトの退院を知る。完全に更生したとの話を耳に
するも、樹は信じ切れない。その数日後、樹の自宅には風鈴とともに、「あなたの大事
なものをもう一度奪いに行きます」というメッセージが届いた。
 退院したルオトは郊外のパン屋に、住み込みで働き始める。そこは店長・津山善行と
若い女性店員・聡美の二人だけでやっている小さな店だった。津山は児童養護施設から
聡美を養子として迎えたが、父子関係は表向きで、立場の違いを利用して肉体関係を無
理矢理持っていた。そのことを知ったルオトは、聡美に優しい言葉を掛ける。程なくし
て、二人は店長を殺害。遺体を山中に埋めて隠蔽し、店を我が物とした。
 ――と、ここまでが序盤の展開。だいたい第一回の終わり、五分の一程度の地点にな
ります。
 で、私がこの段階で期待したのは、ルオトが何らかの“正義”に基づき、再び犯行を
重ねていく展開。十二年前の少女殺しにも某かの“正義”、恐らくは歪んだ正義のもと
に行われたんじゃないかと予想したのですが、これが大外れ。
 外れても予想外の面白い展開を見せてくれるのなら全然かまわないのですが、本作は
違った。個人的には、回を追う毎につまんなくなっていった感じがした。
 ルオトの行動原理が、モンスター理論に基づいており、共感や理解ができないのは無
論のこと、着いていくのが面倒というかどうでもいいやって気がしてくる。それでも観
続けたのは、一応は刑事物、推理物の範疇にある作品だから何らかの仕掛け、あっと驚
くどんでん返しでもあるんじゃないかと思ってのこと。しかしこれまた何もなく、樹と
ルオトが互いに銃を持って対峙するというクライマックス。銃を下ろしたルオトからの
煽りに対し、樹が発砲するのか否か?で盛り上げる算段のようでしたが、正直、この流
れで撃つはずがないと読める描き方で、その通りに進行。
 ルオトの心理の説明はありましたが、伏線がなく、納得感に欠ける。「娘を殺された
樹の泣き叫ぶ悲鳴が、ルオトにとって至上の音楽であり、またあの音を聴きたいがため
に犯行を重ねた」という設定自体は悪くないものの、先述の通り伏線がないのが致命
的。せめてルオトが通常の楽曲には反応せず、映画やドラマで流れてきた悲鳴に薄笑い
を浮かべる、ぐらいの描写が欲しかった。
 他にも、樹が刑事としてそれはどうなのという行動が多く、その結果、犯人サイドに
有利な流れになっていくので、ご都合主義の匂いをちょっと嗅いでしまうかな。転職組
だから判断が甘いということなのかもしれないけれども、その割に反省もそこそこに単
独行動を取り続けるし。
 あと、犯人から樹の携帯端末に頻繁に電話が掛かってきてたんですが、あれって録音
されないのかな。証拠がないで片付けられてしまっていたから、歯がゆかった。

 原作漫画とはキャラクター設定が大きく変更されているみたいだから、原作の方を読
んで比べるのも面白いかもしれない。

 ではでは。





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