#2560/3694 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 23/01/26 19:45 ( 27)
好感融解(^^; 永山
★内容
トリックと言うよりも言葉の話になりますが。
“交換誘拐”なるワードの意味するところが掴みづらくて、このような表現が当たり
前に使われるようになっているのかなと検索してみたら、まだまだ数は少ないけれど
も、それなりにヒットする。
ただ、多くの人が使うときに意図している(であろう)意味合いでは、語句として醸
すイメージから乖離している部分があるなという印象を持ちました。
「交換殺人ならぬ交換誘拐」という言い回しで使っているパターンが多かったのです
が、このような表現をする場合、通常なら二つの語句のそれぞれの構造は同じであるは
ず。
交換殺人は、(それまで面識のなかった)AとXが共謀し、各自が殺したいBとYと
を取り替えることでアリバイを確保するという殺害トリック。
一方、多くの人が“交換誘拐”を使う場合、交換殺人のような共謀の関係ではなく、
Xにとって大事な人物YをAが誘拐し、そのことをネタにしてXに「Yを無事帰して欲
しければBを誘拐しろ」と強要する図式を言っている、らしい。これは交換誘拐と呼べ
る代物ではありますまい。
逆のパターンを想定してみれば分かる。Xが殺したいほど憎んでいる相手Yを、Aが
勝手に殺し、そのことをネタに「おまえのためにYを殺してやったんだから、今度はお
まえがBを殺せ」とXを脅したとしたって、Xは「Yを殺してくれてありがとう」と感
謝するかもしれないけど、命令には従わないでしょう。殺人を依頼したという証拠でも
ない限り。
もちろん、交換殺人の中には、脅しによって無理矢理共犯関係を結ばせる形もあるか
とは思いますが、原則的には承知の上で共謀するもの。
なので、交換誘拐と表現するからには、面識のなかった者同士が共犯となり、何らか
のメリットのためにさらうターゲットを入れ替える、という形であるべきなんじゃない
かと思った次第。
ではでは。