#1893/3573　◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/08/21  19:24  ( 57)
アップダウンが激しくて　　　永山
★内容
　ＷＯＷＯＷのドラマ「黒鳥の湖」第四回を録画視聴。ネタバレ注意です。
　感想の前にお詫びを一つ。前回の感想で、登場人物名・日下部としていた箇所は、田
部井の誤りでした。何故だか分からないけど、思い込みで田部井を日下部に脳内変換し
ていました。すみません。

　田部井を突き落とした容疑者として話を聞かれる財前。その最中、財前の妻が独断で
マスコミを集め、娘を助けてくださいという趣旨の会見を開く。報道管制が敷かれてい
るためすぐには報道されなかったが、警察の知るところとなり、事情聴取途中で刑事ら
は財前と共に財前宅に急行。妻は公開捜査にして情報を広く求めた方がいいとの考えで
動いたという。刑事らは財前の妻に厳重注意（会見の映像自体はその後、ネットの暴露
系サイトが配信した）。田部井転落の件も、被害者が大勢から恨みを買っているらしい
と分かり、ひとまず聴取は切り上げられた。ただ、聴取の際に財前が不用意に漏らした
「美華には罪がないんだ」との言葉が気になった刑事。これは、財前自身が何か罪を犯
しているという意味ではないのか？　十八年前の殺人が気になる。
　財前は家政婦・清水さつきの行方を追って、手掛かりを求める。かつて見せてもらっ
た、家政婦の後ろ姿だけが映った写真を見ると、カメラマンが現場に来ていたと分か
る。そのカメラマンとコンタクトを取り、家政婦の顔が分かる物がないかを調べて欲し
いと頼む。カメラマンは引き受けると共に、その家政婦が少々異常だったことを教えて
くれた。何でも、家政婦は雇い主の小さな子がいじめに遭ったと聞くと、そのいじめた
小学生を川に突き落としたという。度を超したお節介焼きな性質なのだ。
　その直後、“漆黒の切り裂き魔”から三通目の封筒が届いたと知らされ、飛んで帰る
財前。財前が昔聞いた通りにこの誘拐脅迫が進行するのだとしたら、次は娘の生爪が送
られてくる恐れが。果たして、刑事同席で開封すると、出て来たのは美華のバッグに付
いていた飾り。安堵する財前だが、おかしなことに気付いた。その飾りは。財前がつい
先日美華を引き留めようとして手を伸ばした際に、バッグに当たり、取れてしまった二
つの内の一つなのだ。訝しんだ財前はこのことを胸の内に仕舞ったまま、一人で家の中
を調べる。すると飾りのもう一つが机の抽斗から見付かる。困惑する財前の携帯が鳴
り、出てみると美華からだった。彼女は誘拐などされておらず、友人の親戚がやってい
るという北海道の農場にお世話になっていた。単なる家出だったのだ。今になって連絡
してきたのはネットで流れた母親の会見動画を見て慌てたため。家出したのは母に原因
があるような匂わせをして、電話は切れた。
　財前は娘から電話があり無事だったことを妻に伝える。安心する妻に、財前は続けて
飾りの不自然さを告げ、追及する。封筒の件は君の自作自演ではないのかと。妻は涙な
がらに認め、警察に本気で捜査してもらうためにやったという。加えて、美華が家出し
たのは私（妻）が美華の実の父親と会っているところを目撃したからだろうとも言い出
す。美華の実父は財前が聞かされていたように前の婚約者ではなかった。ある男との一
時的な関係で授かったという。その男は、財前がかつて師事した興信所所長で、今はビ
ジネスパートナーでもある八木だった。
　動揺した財前だったが、すべては過去のこととし、今ある家庭が大事だと、乗り越え
ていく意思を示す。
　夫婦揃って警察に出向き、妻の自作自演を告白する。もちろん叱責だけで済むはずも
なく、書類送検されることになった。捜査が攪乱されていた間も真犯人による犯行は続
いているのだ。
　しばらくして財前にカメラマンから連絡が。家政婦の写真が出て来たという。スマホ
に送信してもらったそれには、財前や妻がよく知る人物が写っていた。そう、大黒様の
若い頃の姿だった。
　――以上が第四回の流れとなります。今回もまたまたジェットコースター的展開で、
“驚きの秘密”が続けざまに明かされていきます。まあ、一部は予想が付いていたもの
でしたが。主要登場人物の多くが秘密を抱えているのね。そういうことをテーマの一つ
として描いているんでしょうけれども、こうも多いと、お手軽な“読者(視聴者）びっく
り装置”と化している感、なきにしもあらず？
　さて、恐らく大方の視聴者の予想通り、大黒様が超絶お節介家政婦の正体だった訳で
すが、これで何もかも解明できる、とはならないのが巧い。財前の叔父を殺害したのは
結局誰なのか。現在進行形の誘拐殺人の犯人は？　大黒様の息子である若院がどう絡ん
でくるのかにも注目でしょうね。彼が誘拐殺人犯の可能性はあるのかな。

　ではでは。