#1431/3614 ◇フレッシュボイス2 *** コメント #1430 ***
★タイトル (AZA ) 20/06/24 20:33 ( 24)
らしさのハードル 永山
★内容
動機について>
作品の雰囲気や時代設定など、描き方次第で変わってくると思います。
例に挙げられた靖国の方は、時代背景を描写することで、ある程度普遍的に作中人物
のみならず、読者も「そういう時代だったんだな」と理解できる。
一方、一太郎からメッセージが届く云々は、通り一遍の描写だと作中人物の一部が信
じているだけに終わりそうですが、書き込むことによって他の作中人物や読者も「そう
いうこともまああるかもなあ(この作品世界では)」と思わせることはできるはず。
ミステリ小説においても、オカルト部分には説得力があった方がいいです。現実的・
論理的・科学的に解決できたけれども、それでもなお謎が残ったという形は割と古くか
らあるミステリの終わり方の一つのパターンですし。
綾辻行人の『霧越邸殺人事件』(新潮社)は、本格ミステリと超常的な物ものの狭間
にある物語という点が、高く評価されていたように記憶しています。
あと、本題を離れますが、物語作りにおける独りよがりはほんと怖いですね。動機の
設定にとどまらず、物語作りのあちらこちらで関わってくる感じで、ある意味、自分が
試されているような。
自分にとっての常識が世間では非常識、あるいはその逆もないとは言えない。自分が
苦心して作り出したつもりの謎が、世間の多くの人からすれば謎でも何でもないなんて
ことにでもなったら、頭が痛い話どころでは済まないだろうなあ。幸い、そんな目に遭
ったことはないですけど。
ではでは。